アトレティコ戦で2試合連続で先発メンバーから外れた久保。(C)Getty Images

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 タケ・クボ(久保建英)は両チーム無得点で迎えた72分、アトレティコ・マドリー戦のピッチに立った。マタラッツォ監督の狙いは明確だった。右のタッチライン際で相手の守備網を崩し、スペースを作り出して打開を図る。それが課されたミッションだった。

 しかしボールに触れた回数は、わずか7回にとどまった。そう、たった7回だ。トラップが数回、パスが数本、ゴールライン際深くまで侵入しようとした試みが一度あった程度にすぎない。特筆すべきプレーは一つもなく、決定機も生まれず、ピッチに立っていた間、その存在感は完全に消えていた。

 深刻なのはその点だ。単なる不調や不運が重なった一戦で片付けられる話ではない。その才能、局面を打開する力、そしてチームで背負う責任の重さを考えれば、タケは常に主役を張るべき選手だ。ボールを要求し、リスクを冒して仕掛け、チャンスを創出する。試合を動かし、勝利を呼び込む。タケがボールを持てば何かが起きる。しかし今回、何も起きなかった。だからこそ、疑念を抱かざるを得ない。一体彼に何が起きているのだろうかと。

 自信の揺らぎか、役割の変化か。フィジカルコンディションの問題か、監督の意図と本人の解釈の不一致か。あるいは、かつて違いを生み出していた閃きを失うスランプに陥っているだけなのか。明確な答えは出ない。それこそが最大の懸念材料だ。

 7回のボールタッチという数字自体は、一試合の些細なスタッツとして片付けることもできる。だが、本来の姿を失ってからあまりに長い時間が経過しているという事実は、もはや見過ごせない。タケに異変が起きている。そして不安を増長させるのは、その原因が誰にも掴めていないように見えることだ。
 
 この異常事態には、マタラッツォももちろん気づいている。監督自らが、膝を突き合わせて話し合った事実を明かした。

「タケがどんな選手かは分かっている。違いを作れるトップレベルの選手だ。私は彼の持つクオリティを深く信頼している。その領域に再び到達できるよう手助けすることこそが、私の役割だ。本人と話し合いの場を持ち、現状について率直に話し合った。タケ自身もベストな状態にないことを自覚しており、元のレベルへ戻るために何が必要かを擦り合わせた。ここから大きく前進すると信じている」

本音を隠さずストレートに語るアメリカ人指揮官の言葉は、信頼の証であると同時に、冷徹な警告でもある。タケが決定的な存在であるべきなら、なぜわざわざ面談の場を設け、復調に必要な条件を尋ねなければならなかったのか。ここに明らかな矛盾が横たわる。