本稿で紹介している個別銘柄:NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)

 株価が不安定になると、個人投資家から人気を集めるのが「高配当株」だ。株価が上がらなくても、配当を受け取りながら待てる。そんな安心感から、配当利回りの高い銘柄を探している人も多いだろう。

 しかし、投資スクール「Financial Free College(FFC)」を運営する株式会社Financial Free College取締役社長CEOの松本侑氏は、「利回りが高い」という理由だけで銘柄を選ぶのは危険だと指摘する。

 そもそも配当利回りは、株価が下がるだけでも上昇する。数字だけを見れば魅力的でも、その裏で企業の稼ぐ力が落ち、減配が迫っているケースもあるからだ。

 では、長く配当を受け取りながら、株価の上昇も狙える企業はどう見極めればよいのか。高配当株に潜む「利回りの罠」と、配当を資産形成につなげるための考え方を松本氏に聞いた。インタビュー連載全3回の最終回。


「配当利回りが高い=お得」とは限らない


 ーー株価の値動きが激しい局面では、高配当株なら比較的安心して持てる印象があります。


 高配当株をポートフォリオに入れること自体は、一つの選択肢だと思います。ただし、最初に注意してほしいのは、「配当利回りが高いほど優良株」というわけではないことです。


 配当利回りは、年間配当額を株価で割って算出します。つまり、配当額が変わらなくても株価が大きく下落すれば、表面上の利回りは高くなります。


 業績悪化などで株が売られ続けている結果、利回りだけが5%、6%と上がっているケースもあります。そこで「こんなに配当がもらえるならお得だ」と飛びつくと、さらに株価が下がったうえ、最終的に減配されることもあり得ます。


 ーー高利回りであること自体を、買う理由にしてはいけないのですね。


 そうですね。私は、配当だけで投資判断を完結させるべきではないと考えています。極端な話、年間5%の配当を受け取れても、株価が大きく値下がりしてしまえば、資産全体ではマイナスになることがあります。


 投資家が最終的に見るべきなのは、配当と株価上昇を合わせたトータルのリターンです。


 「配当をたくさんもらえる会社」を探すというより、配当を出し続けられ、そのうえ株価の上昇余地も残っている会社を探す。この発想に変えたほうがよいでしょう。