サイバー攻撃について説明する松本デジタル相(11日、デジタル庁で)

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 デジタル庁は11日、政府の共通基盤ネットワーク「ガバメントソリューションサービス(GSS)」がサイバー攻撃を受け、国家公務員らの個人情報約24・6万件が漏えいした可能性があると発表した。

 国家公務員らの個人情報約24・6万件が流出した可能性のある今回のサイバー攻撃で、政府は危機感を強めている。被害を受けた共通基盤ネットワークはシステムの安全性向上を目的に導入されたためだ。サイバー攻撃が高度化する中、実効性のある対策を迅速に講じられるかが課題となる。

 木原官房長官は11日の記者会見で、「多層的なセキュリティー対策や、24時間365日の監視体制のもとでの運用を行ってきたにもかかわらず、今回の事案が発生したことは重く受け止めている」と語った。複数の政府高官からも「ゆゆしき事態だ」と懸念を示す声が上がった。

 政府は共通基盤ネットワーク「ガバメントソリューションサービス(GSS)」を導入する以前は、各省庁が独自のネットワークを整備し、外部からのアクセスに「壁」を築いて厳格に管理する仕組みを講じていた。ただ、サイバー攻撃が巧妙化して壁の突破が容易となる中、壁の内外を問わずすべてのアクセスに攻撃の可能性を疑う「ゼロトラスト」の通信環境を構築する方が安全性が高く、政府もゼロトラストをGSSで採用した。

 今回のサイバー攻撃では、VPN(仮想プライベートネットワーク)機器が侵入経路となった。デジタル庁はVPNの脆弱(ぜいじゃく)性を把握していたが、松本デジタル相は11日、「深刻度に応じた対応を進めており、その間にハッキングされた」と釈明した。コンピューターシステムの危険度や対応の緊急性を示す世界標準の指標では、今回の脆弱性は5段階のうち3番目。最優先で対応する事案ではなかったとの理屈だ。

 流出の疑いがある個人情報件数は過去のサイバー攻撃と比較しても多いが、政府は機微情報は流出しておらず、「攻撃は表層でとどまり、奥までは届いていない」(政府高官)としている。

 政府内では、サイバー攻撃が7月9日に判明してから事案の公表までに約2か月かかったことを疑問視する声も出ている。松本氏は「影響範囲や侵入経路の分析を全部確認するまで時間を要した」と説明した。

 セキュリティー会社「S&J」(東京)の三輪信雄社長は、「脆弱性への対応が遅く、侵入に約1か月も気づけなかったなど、セキュリティー管理が甘かったと言わざるを得ない」と指摘する。