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多くの登山客が訪れる富士山では、富士登山シーズン、ケガや体調不良による救助要請が相次ぎました。そんな登山者の命を守るため、標高3460メートルを拠点に、24時間態勢で活動する山岳遭難救助隊がいます。昼夜を問わず過酷な環境で救助にあたる隊員たちの現場に密着しました。

■富士登山シーズン 相次ぐ要請

山頂からの絶景を見ようと、約2か月で20万人以上が登る富士山

今回密着したのは、静岡県警・山岳遭難救助隊です。拠点の山小屋があるのは9合目、標高3460メートルの地点です。隊員が2人1組で常駐し、24時間態勢で救助に向かいます。

外国人から救助要請“急増” 軽装でケガ 搬送に3時間半…

7月30日午前6時すぎ、外国人登山客から要請が入りました。

静岡県警・山岳遭難救助隊 山本隊員
「山頂で外国人が捻挫したということで。『動けないので助けてください』ということだったので」

準備したのは、車輪と組み立て式の担架。その重量は約20キロです。30分かけて山頂へ向かいます。

山小屋では22歳のドイツ人登山客が待っていました。

隊員「警察の救助隊なんですけど、歩けます?」
ドイツ人登山客「歩けません」
隊員「どこをケガしたの?足首?」

ドイツ人の登山客は、隊員に支えられ山小屋を出ます。スニーカー登山中、右足首を2度ひねり、歩けなくなったといいます。

ドイツ人登山客「思いつきで富士山に登ることにしたので、登山靴を持ってきていなかったんです。動かすことはできますが、地面に足をつけると強い痛みが走ります」

自力での下山ができないため、車が入れる5合目まで運ぶことにしました。物資を運ぶブルドーザー専用の道で、1300メートル下までくだっていきます。

通っている道のすぐ横を見ると崖。

隊員「いくよ、よいしょ」
隊員「結構(担架が)傾いちゃうから怖いです」

外国人登山客からの要請は急増しているといいます。

隊員「よし、いいよ。もうそこがゴールだから」

3時間半かけ5合目に到着。男性はバスで宿泊先のホテルに戻ったということです。

静岡県警・山岳遭難救助隊 芹澤隊員
「無理に下りようとしたら悪化させて重傷化してしまいますし、富士山は甘い山ではないので、しっかり装備を整えた上での登山をしていただきたいです」

富士登山は9月10日まででしたが、静岡県側では8月中旬までに45人を救助しました。さらに、今シーズンは2人が亡くなっています。

■富士登山で小学生が高山病 “暗闇の道”担いで診療所へ

密着中、相次いだのが体調不良による要請です。

隊員「もどした(吐いた)のはいつですか?
鹿児島からの登山客「今さっきなので、午後6時50分くらい」

9合目の山小屋に到着後、ツアーに参加していた12歳の小学生が突然おう吐したといいます。隊員が小学生に症状の聞き取りを行います。

隊員 「今は頭痛いだけ?」
小学生「ちょっと…」
隊員 「ちょっと頭痛い?寒気もする?」
小学生「吐き気…」
隊員 「吐き気と頭痛ね」

高山病の症状です。重症化をふせぐため、8合目の診療所まで背負って搬送します。

時刻は午後8時すぎ。

スタッフ「街の明かりが見えますが真っ暗です。時折強い風が吹いて、足がとられそうになります」

小学生の体重は約34キロ、2人で体を支えながら一気に斜面をくだります。15分ほどで診療所に到着しました。
診療所の医師が小学生に吐き気止めや頭痛薬を処方し、酸素を投与します。

富士山衛生センター 山中大季医師
「これ口に入れてもらって、気持ち悪いのおさまると思う」

約1時間後、引率していた男性に、医師は--

富士山衛生センター 山中医師
「高度下げて少し症状良くなって、立ったりとかできるくらいまで回復しているので、一晩様子見てもらって」

鹿児島県から団体ツアー 引率係
「本人の状態確認をもっとしておくべきだったのかなという反省はあります。申し訳ないなというところではありますね」

その後、診療所近くの山小屋に宿泊し、翌日、自力で下山できたということです。

■装備や体調を整え、不安感じたら登山中止を

静岡県警は、装備や体調を整えた上で、不安を感じた場合はすぐに登山を中止するよう呼びかけています。

(2026年8月25日放送「news every.」より)