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一度じっくりと乗ってみたいと思った

この夏、昨年9月4日に発売されたスペシャリティスポーツカー、『ホンダ・プレリュード』と約1ヵ月を共に過ごすことになった。きっかけは、当コラム#53で記したように以前参加した試乗会で走りの楽しさに感動し、一度じっくりと乗ってみたいと思ったことだ。

【画像】S+シフトを採用!『ホンダ・シビックe:HEV RS』と、試乗会で比較試乗したプレリュードおよびシビックe:HEV 全181枚

静岡県東部在住の筆者は長距離ドライブをメインとしたテストを1週間単位で行うことが多いが、お盆を含む夏休み期間はどうしても都内との往復に余計な時間を要してしまう。そしてプレリュードに関しては後悔を残さぬよう、様々な場面でテストしたいという気持ちが強かった。


今回から『ホンダ・プレリュードと過ごした夏』がスタート。写真は『シビックe:HEV RS』の試乗会で撮影。    平井大介

そこで本田技研工業広報部のご厚意もあり、約1ヵ月に渡る当企画が実現した次第だ(この場をお借りして感謝申し上げます)。その結果、約1900kmを走行することになるのだが、本題を始める前に『ホンダ・シビック』の話をさせて頂きたい。

というのも当企画成立後に、6月4日に追加で発売された『シビックe:HEV RS』の試乗会へ参加することが決まり、その会場に比較用としてプレリュードが準備されていたからだ。時系列としてはこの取材が先となるため、順を追って筆を進めることにした。

元々スポーティな性格の走りをさらに磨く

さてシビックにおける『RS』は、2024年9月のマイナーチェンジで約50年ぶりに復活したスポーツグレードだ。1.5L直列4気筒のガソリンエンジンに6速MTを組み合わせ、元々スポーティな性格であるシビックの走りをさらに磨き、デビュー時から人気を博した。

e:HEV RSはその名のとおり、ハイブリッドのほうに追加されたRSモデルだ。まずはプロフィールを簡単におさらいしておきたい。


6月4日に追加で発売されたスポーツグレード、『シビックe:HEV RS』。    平井大介

エクステリアはブラックを多用したフィニッシュでコーディネートし、同じくブラックの18インチアルミホイールを装着。インテリアはレッドのステッチやピンストライプを組み合わせ、プレリュードと共通のDシェイプステアリングとメタル製パドルシフトも採用した。

サスペンションは専用セッティング。ハイブリッド車をベースにダンパー径アップ、バルブ最適化、スプリングおよびスタビライザー剛性アップが施された。これにより、ロール剛性が11%アップしたという。

また、前後のコンプライアンスブッシュを液封からソリッドラバーに変更。フロント剛性が45%、リア剛性に至っては62%もアップしている。

タイヤは新規開発したRS用のグッドイヤー・イーグルF1で、アシンメトリック2から同6へと進化。ドライのブレーキ性能が3.4%アップし、逆に転がり抵抗が20%、ロードノイズが8.8%低減している。これは、来年から始まる新たな騒音規制に対応する意図もあるそうだ。

ハイブリッドに構築された仮想トランスミッション

そして最大のトピックはやはり、プレリュードで初登場した『ホンダS+シフト』搭載であろう。これは発電用、走行用からなる2モーターとエンジンに直結するクラッチを内蔵する無段変速の電気式CVTに、有段変速さながらの制御を与えたもの。

加速ではエンジン回転数とリンクさせたステップ変速を、減速では適切な回転数を自動で算出するブリッピング機能、いわゆるレブマッチダウンを行う。言うならば、『ハイブリッドシステムの中に構築された仮想トランスミッション』だ。


最大のトピックは、プレリュードで初登場した『ホンダS+シフト』の搭載だろう。    平井大介

これによりドライバーは、CVTでありながら複数ギアがあるATさながらのシフトチェンジが可能となったわけだ。ホンダは、エンジンサウンドを『聴覚』で、メーターの変化を『視覚』で、加減速を『体感』でそれぞれ味わい、それらをシンクロさせるシステムだと説明する。

また、見逃せない機能として、コーナー手前で最適な仮想ギアにシフトダウンする『アーリーダウン制御』、旋回時にギアを維持する『コーナリングホールド制御』を記しておきたい。

『S+シフト』におけるプレリュードとの違い

プレリュードではS+シフトをオンにしても、コンフォート、GT、スポーツ、インディビジュアルの各ドライブモードを維持していた。しかしシビックでは、イーコン、ノーマル、スポーツ、インディビジュアルというどのモードでも、オンにすると必ずスポーツとなりオフにすると各モードへ戻る形になった。

また、レブカウンター表示はオンでプレリュードがエンジン回転数(rpm)へ切り替わるのに対し、シビックは6000rpmを100%とするパワーゲージのままとなっている。


プレリュードと共通のDシェイプステアリングとメタル製パドルシフトも採用した。    平井大介

これはプレリュードがS+シフト先行採用であるのに対し、シビックは普及版第1弾であり、必ずスポーツになるのはキャラクターとしてわかりやすさを優先することが狙い。パワーゲージに関しては、変更コストと車両価格の兼ね合いで断念したようである。

なお、S+シフトはスポーツモデル以外も含めて幅広く採用予定となる。ハイブリッドであってもホンダ車に乗るのが楽しいということを提供価値、ブランドとして確立したいそうだ。

*9月20日公開予定『ホンダ・プレリュードと過ごした夏(2)』へと続きます。