神社の境内で「1回300円」の無断ヨガ教室、苦情メールで発覚…投稿が話題、勝手に「商売」していいの?
神社の境内で、知らないうちに有料の「ヨガ教室」が開かれていた──。そんな神社関係者の投稿がXで話題になっている。
投稿によると、ヨガ教室が開かれていたのは8月の早朝。朝5時から5時半までの30分間で、参加費は1回300円。ヨガマット持参で「神社の清らかな氣を浴びて朝活しましょう」といった触れ込みだったという。
ところが、神社側はヨガ教室の存在すら知らなかった。発覚のきっかけは、参加者から届いた苦情メールだったという。
「朝ヨガに来たとき社務所が開いていなくてトイレが使えなくて困りました、改善してください」
神社関係者は「知らんがな!!」「というか、え、境内で無許可で営利活動???」と驚きをあらわにしている。
投稿内容の真偽は不明だが、誰でも参拝できる神社の境内で、勝手に有料のヨガ教室を開いた場合、法的な問題はないのだろうか。
●境内に入ったら「建造物侵入」になる?
刑事上は、建造物侵入罪(刑法130条)が問題になる可能性がある。
ただし、境内に入ったからといって、直ちに同罪が成立するわけではない。
そもそも境内の土地自体は「建造物」ではない。ただ、門や塀などの囲障によって建物の付属地として建物利用の用に供されるものであることが明示されている場合には、建造物の一部(囲繞地)として扱われることがある。
実際の裁判でも、神社の外苑について、社務所等の付属地として囲繞地に当たり、刑法上の「人の看守する建造物」に該当する、と認めた例がある。
さらに、建造物侵入罪の「侵入」にあたるかどうかは、管理者の意思に反する立ち入りだったかがポイントとなる。一般に参拝客へ開放されている境内であり、立ち入りの外観が一般の参拝客と変わらなくても、立ち入りの目的が管理権者の容認しないものである場合、「侵入」にあたるとされる可能性がある。。
●「参拝できる」と「商売できる」は別
一方、今回のようなケースでは、民事上の問題のほうがわかりやすい。
神社側が所有・管理する境内を参拝客に開放しているからといって、誰でも自由に営業目的で使えるわけではない。
所有者は所有権に基づいて、土地の利用方法に一定の制限をかけたり、無断で占有・利用する行為の中止を求めたりすることができる。
参考になる裁判例もある。
一般に公開されていた神社の境内で、許可なく写真撮影業を営んでいたケースについて、大阪高裁は、一般客の撮影と異なり「場所的使用を伴う営業」は風致の維持や境内の尊厳保持に及ぼす影響が甚大であるとして、一般の参拝客に撮影が認められていても業として撮影することまで許されるわけではなく、所有権に基づき営業行為を制限できると判断している(大阪高裁判決昭和33年7月18日)。
もちろん、写真撮影とヨガ教室では事情が異なるため、この裁判例がそのままあてはまるとは限らない。
それでも、「参拝のために自由に入れる」ことと「その場所を勝手に商売に使える」ことは別問題だ。境内で有料のヨガ教室などを開くのであれば、事前に神社側の許可を得る必要があるだろう。
