「にんにく」を食べ続けるとどんな”効果”が得られる?管理栄養士が解説!
にんにくに含まれるアリシンやビタミンB群・葉酸・カリウムなど、注目の栄養素とその健康効果を詳しく紹介します。
※この記事はメディカルドックにて『「にんにくの食べ過ぎ」で現れる”3つの症状”はご存じですか?管理栄養士が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修管理栄養士:
田中 純子(管理栄養士)
保育園、小学校、特別養護老人ホーム、障害者支援施設で調理・献立作成の経験を経て、現在は総合病院に勤務。NST業務、栄養指導(外来・入院)、治験等に携わっている。
にんにくとは?

にんにくは古くからユリ科に分類されてきましたが、最新のDNA解析に基づく植物分類体系(APG分類)では、ヒガンバナ科ネギ属に変更されています。たまねぎやねぎ、にらなども同様にヒガンバナ科の仲間です。にんにくは、肥大化した地下茎を食用とする野菜です。通年で食べることができますが、旬の時期は5月~7月頃です。国内では青森県が主な産地で、最も多く栽培されています。全体の形が、ふっくらと丸みを帯びているものは水分が多く新鮮です。収穫から時間が経過したにんにくは、形が歪んでいたり、軟らかくなっていることがあります。
にんにくに含まれる栄養素

アリシン
にんにくには、無臭の含硫アミノ酸であるアリインが含まれています。にんにくを切ったり、刻んだり、すりおろしたりして細胞が壊れると、酵素(アリイナーゼ)の働きによってアリインがアリシンへと変化し、にんにく特有の香りや辛みが生まれます。アリシンは不安定な成分で、時間の経過や加熱によってさまざまな含硫化合物へと変化します。これらの成分は、にんにく特有の香りのもとになるだけでなく、抗菌作用などが研究されています。ただし、にんにくの健康効果については研究段階のものも多く、特定の病気の予防や改善効果を断定できるものではありません。
ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質の代謝を助ける栄養素です。にんにくに含まれるアリシンは、ビタミンB1と結合することで吸収率が高まるとされています。ビタミンB1は、忙しさや体調不良などで食事量が減っている場合や、アルコールを多く摂取する方では不足することがあります。
ビタミンB6
ビタミンB6は、たんぱく質の代謝に関わる栄養素で、体内でアミノ酸の合成や分解を助ける働きがあります。また、皮膚や粘膜の健康維持、神経機能の正常な働きを支えるうえでも重要な栄養素です。ビタミンB6が不足すると、皮膚炎や口内炎、貧血などの症状が現れることがあります。
葉酸
葉酸は、細胞の生成やDNAの合成に関わる重要な栄養素です。にんにく類では、茎にんにくに比較的多く含まれ、貧血予防に役立つとされています。特に妊娠初期は胎児の細胞分裂が活発な時期であり、葉酸の摂取は胎児の正常な発育を支えるうえで大切です。鉄とともに摂ることで、より効率的に血液の生成を助ける働きがあります。
カリウム
カリウムは、体内の水分バランスを保ち、ナトリウムの排出を促すことで血圧の調整に関わる栄養素です。食生活の中で十分に摂取することで、高血圧の予防やむくみの改善に役立つとされています。日本人の食事摂取基準(2025年版)では、成人男性は1日3000mg以上、成人女性は2600mg以上の摂取が目標量とされています。この量を達成するためには、野菜を1日350g、果物を1日200gを目安に摂ることが推奨されています。ただし、腎臓病などで医師からカリウム制限を受けている場合は、医師の指示に従うことが必要です。
にんにくの健康効果

血圧やコレステロールの健康維持
にんにくには、血液の流れを整える働きがあるとされています。血流が良くなることで、血圧の調整や血中コレステロール値の維持に役立つ可能性があります。にんにくを原料としたサプリメントには、高血圧の改善をサポートする可能性が示唆されていますが、現時点での科学的根拠は限られています。
免疫機能の維持をサポート
にんにくには、抗菌作用や抗酸化作用を持つ成分が含まれており、健康維持や免疫機能の働きを支える可能性があるといわれています。食生活の中で取り入れることで、日常の健康管理に役立つ食材のひとつとされています。また、にんにくが風邪などの感染症に直接効果を示すという十分な科学的根拠(エビデンス)は確認されていません。
疲労回復をサポート
にんにくに含まれるアリシンは、糖質代謝に関わるビタミンB1と結合することで吸収率が高まるとされています。水溶性のビタミンB1が、脂溶性のアリチアミン(ビタミンB1誘導体)に変化することで、ビタミンB1のみの場合よりも消化管で効率的に吸収されます。そのため、アリシンは疲労時のエネルギー代謝を支え、栄養補給に役立つ成分とされています。
冷え性対策をサポート
冷え性の原因のひとつに、血行不良があります。にんにくには末梢の血管の働きをサポートし、血液の流れを整える働きがあるとされています。そのため、手足などの末端の冷えを和らげ、冷えに伴う頭痛や肩こりの不快感を軽減する可能性があります。
「にんにくの食べ過ぎ」についてよくある質問

ここまでにんにくについて紹介しました。ここでは「にんにくの食べ過ぎ」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。
にんにくを食べ過ぎるとどんな症状が現れますか?
田中 純子(管理栄養士)
胃腸への刺激が強くなり、腹痛や下痢を引き起こすことがあります。胃腸が弱っている時や空腹時の摂取は特に注意が必要です。
にんにくを食べ過ぎると、胃腸への刺激が強くなり、腹痛や下痢を引き起こすことがあります。胃腸が弱っている時や体調が優れない時は、摂取量を控えるようにしましょう。また、空腹時ににんにくを摂取すると、胃腸に負担がかかることがあるため、食事と一緒に摂るのがおすすめです。
にんにくは1日何粒まで食べて大丈夫でしょうか?
田中 純子(管理栄養士)
生のにんにくで1片(約5~10g)、加熱したものでは2~3片程度が目安とされています。
にんにくの1日の摂取量には明確な基準はありませんが、生のにんにくで1片(約5~10g)、加熱したものでは2~3片程度が目安とされています。皮ごとアルミホイルで包み、じっくり加熱する「にんにくのアルミホイル焼き」は、じゃがいものようなホクホクとした食感とやさしい甘みを楽しめる調理です。生では食べづらいという方にも、おすすめの食べ方です。
編集部まとめ
にんにくには、アリシン、ビタミンB1、ビタミンB6などの成分が含まれています。これらの栄養素は、糖質やたんぱく質の代謝を助け、疲労時の栄養補給に役立つとされています。また、抗菌作用や血液の流れを整える働きがあるといわれ、免疫機能の維持や冷え性対策にも役立つ可能性があります。ただし、食べ過ぎると胃腸に負担がかかることがあるため、適量を心がけましょう。
「にんにく」と関連する病気
「にんにく」と関連する病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
内科の病気
脂質異常症高血圧腎臓病「にんにく」と関連する症状
「にんにく」と関連している、似ている症状は10個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
にんにくアレルギー
腹痛下痢
口臭体臭
おなら貧血
冷え性頭痛肩こり
参考文献
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書|厚生労働省
食品成分データベース|文部科学省
ニンニク|厚生労働省

