《もはや川のような道路をバスが運行》「車高を上げて運転しております」名古屋・観測史上1位の大雨、膝上まで水に浸かり乗り込んだ客が見た驚きの光景
1時間に104.5ミリ──。9月8日火曜日、名古屋地方気象台は1時間にこの雨量を観測した。1890年の統計開始以来1位を更新する猛烈な雨だったという。
名古屋市交通局は同8日、地下鉄全線の運転を見合わせ、市バスも全路線で運休となった。
その同日、午後5時20分頃──。冠水した南区の道路を市バスが走っていた。乗り合わせた男性(30代)が、NEWSポストセブンの取材に証言した。
「歩道と車道の分かれ目はわかりませんでした」
「本当は中京病院のバス停から乗車したかったのですが、ギリギリで逃してしまったので、次のバス停まで走って行ったんです。膝上くらいまで水位があり、ダッシュしたせいでズボンは全部びしょ濡れになりました」
たどり着いた明治小学校西バス停は、周囲一帯が水に沈んでいた。
「バス停の周辺は冠水していて、歩道と車道の分かれ目はわかりませんでした。バスが停留所に近寄れない状態だったので、右側の車線に停車してドアを開けて乗せてもらいました」
路肩がどこにあるのかも判別できない。停留所に寄せるという基本動作すら成立しない状態だったという。
運転士の異例アナウンス
乗り込んだ車内で、男性は耳を疑ったという。
「『車高を上げて運転しております。時速20キロを超えると車高が下がるので徐行しています』というアナウンスがありました」
通常の営業運行ではまず聞くことのない放送だ。この男性が撮影した動画を見ると、道路がもはや川のようだ。しかし幸い、車内への浸水はなかった。異常事態のさなかにありながら、車内の様子はどうだったのか。
「座席はすべて埋まっていました。ただ、鉄道の運行情報を気にする人がほとんどで、浸水を心配している人はいなかったように思います」
窓の外は膝上まで水に浸かった道路。車内はスマホで運転再開を追う、いつもの帰宅ラッシュの光景だった。
渋滞で動けなくなり…
バスは内田橋バス停を越えたあたりで冠水エリアを抜けたが、平穏は続かなかった。
「熱田伝馬町バス停から終点までの道が渋滞で動けなくなったため、私はバスを降りました」
同じ頃、市は南区や熱田区の一部を含む地域に警戒レベル5「緊急安全確保」を発令。市バスはこの日、終日運休のままとなった。
余談を許さない状況が続いている──。
