@AUTOCAR

写真拡大 (全6枚)

ラインナップ最小のEVモデル

アウディは、新型EV『A2 eトロン(A2 e-tron)』を欧州で発表した。効率性を重視し、最大航続距離646kmを誇る、斬新なデザインの電動ハッチバックだ。

【画像】流線形シルエットとエアロホイールでCd値0.24達成!【アウディA2 eトロンを詳しく見る】 全39枚

英国では来月より発売され、来年初頭に納車が開始される予定だ。ボルボEX30やミニ・エースマンなどに対抗するコンパクトモデルであり、今年初めに生産終了した『A1』と『Q2』の間接的な後継モデルでもある。


アウディA2 eトロン    アウディ

新型A2 eトロンは、アウディのラインナップでは最小かつ最も手頃な価格のEVとなる。英国での価格は3万2200ポンド(約680万円)からで、『A3』よりわずかに高いくらいだ。

全長約4.3m、ホイールベース2770mmとゆとりがあり、1999年から2005年にかけて販売されていた初代『A2』よりもかなり大きいが、空力性能と室内空間を確保するため、特徴的な丸みを帯びたシルエット、ショートオーバーハング、角ばったリアエンドを受け継いでいる。

最大84kWhのバッテリーを搭載

アウディの『Q4 eトロン』やフォルクスワーゲンID.3など、フォルクスワーゲン・グループの他のEVと同じMEBプラットフォームを採用しており、標準で後輪駆動となっている。このプラットフォームは最大183kWの充電出力に対応し、最大84kWhのバッテリーを搭載可能だ。

A2 eトロンの最廉価モデルには52kWhバッテリーが搭載され、WLTPサイクルに基づく航続距離は423km。一方、中間グレードのモデルは61kWhバッテリーにアップグレードされ、航続距離は515kmとなる。最上位モデルでは84kWhバッテリーにより最大646kmの航続距離を実現し、ドイツでの価格は5万1200ユーロ(約930万円)にとなる。


アウディA2 eトロン    アウディ

大容量バッテリーの正極材にはニッケル・マンガン・コバルト(NMC)、小容量バッテリーにはより安価なリン酸鉄リチウム(LFP)が採用されている。充電出力は105kWに制限されているが、「充電残量が少ない状態や外気温が低い場合でも高い性能を発揮する」という。

ロスの少ない高効率パワートレイン

モーターは4種類から選択可能で、いずれも永久磁石式同期モーターであり、車体後部に搭載されている。出力はエントリーモデルの170psp、35.6kg-mから、最上位モデルの326ps、55.5kg-mまで幅広く、平均エネルギー消費効率は約6.7km/kWhとされている。

最もパワフルなモデルでは0-100km/h加速5.7秒を達成するが、都市走行を重視したエントリーモデルは8.8秒となる。


アウディA2 eトロン    アウディ

アウディによると、APP350およびAPP550モーターには炭化ケイ素(SiC)半導体が採用されており、「極めて低い変換損失」を実現しているという。また、トランスミッションにも低摩擦ベアリングや新しい低粘度オイルを採用することで、効率をさらに高めている。

その結果、A2 eトロンの最も効率的なモデルでは、消費電力1kWhあたり最大7.8kmを走行可能となり、「史上最も効率的なアウディ」となっている。

初代A2も、かつて同じ称号を誇っていた。軽量かつ空力に優れたアルミボディにより、30km/l以上の低燃費を記録することができたのだ。

空力性能を細部まで追求

新型A2 eトロンの効率性を支えているのは、初代A2を彷彿とさせる流線型のシルエットにとどまらない。空力抵抗を最小限に抑えるさまざまな設計上の工夫が施されている。

例えば、車体下部はほぼ完全に密閉されており、ホイールアーチにはギャップリデューサーが装着され、ホイールとボディの隙間を減らすことで走行中の乱流を低減している。ホイールは新開発の「エアロ」デザインを採用し、ドアハンドルも独特な翼型デザインとなっている。


アウディA2 eトロン    アウディ

アウディは、空気抵抗係数(Cd値)が0.24であると主張している。これは、Q4 eトロンのスポーツバックモデルよりも優れた数値だ。

インテリアは、アウディの現行モデルに見られるコックピット風デザインとは一線を画している。段差を設けたダッシュボード、新開発のリサイクル生地「ソフトラップ(Softwrap)」の多用、そして「日常の運転で最も役立つ場所」に配置された操作系などが特徴で、ステアリングホイール周囲にスイッチやボタンの大部分が集中している。

ドアハンドルには、レバーやボタンではなくタッチセンサーが採用されている。ドアにはそれぞれ独自の電源が備わっているため、車両の電源が切れてもドアを開けることができる。

タッチと物理併用のレイアウト

ステアリングホイールの奥には、ハンドブレーキなど、本来ならセンターコンソールに配置されるような機能をまとめたパネルが設けられている。また、『Q3』と同様にウインカースイッチを採用した。

ステアリングホイールの操作系は、物理的なローラーと、タッチ式ハプティックセンサーを組み合わせたものだ。後者は他のVWグループモデルから段階的に廃止されつつあるが、アウディによると、運転中に操作しやすい形状になっているという。


アウディA2 eトロン    アウディ

全車、12.8インチの曲面タッチスクリーンと、11.9インチのインストゥルメントディスプレイを組み合わせたMMIパノラミックディスプレイが標準装備となる。オプションとして、速度、ナビゲーションの指示、オーディオプレーヤーの情報を表示できるARヘッドアップディスプレイも用意される。

後部座席を立てた状態でのトランク容量は396Lで、A3よりもわずかに広い。後部座席を倒すと1336Lに拡大できる。