「バレていないはずだ」という感覚が、いつまで通用するのかが問われている。国税庁のシステムが刷新されることで、これまで表面化しにくかった申告内容の矛盾が明らかになりやすくなるという指摘があるからだ。
 
脱・税理士の菅原氏は、今回の刷新の本質は所得税や法人税、相続税、贈与税などが税目ごとに縦割りで管理されてきた仕組みが一つのデータベースへと統合される点にあると整理する。AIによる分析が新たに組み込まれるという見方も広がっているが、菅原氏はAIの導入自体はすでに完了しており、今回の刷新とは切り離して捉えるべき事柄だと説明した。
 
税目がまたがって管理されるようになることで、法人からの報酬と個人の資産状況、家族間の資金移動といった性質の異なる情報が横断的に照らし合わせられる。これまで縁遠かった組み合わせのデータがつながることで、収入と資産の間に生じる不自然な差が把握の対象になり得るとの見解が添えられた。あわせて、調査担当者が庁舎の外からもデータベースを参照できるようになる変化にも言及があり、現場での利便性が高まる一方、情報の管理体制については課題が残るとの声も紹介されている。
 
税務調査は現場での確認だけで終わらず、その後も相当な期間にわたって精査が続くことがあり、対象になった側の心理的な負担は小さくないという実情も浮かぶ。一方で、選定の精度が高まることで、追徴につながりにくい相手にまで調査の手が及びにくくなるとの見方も示され、日頃から適正に申告してきた側にとってはむしろ歓迎できる変化になり得るとの補足がなされている。ギャンブルの払い戻し金のように、申告の必要性そのものが十分に知られていない収入をめぐる話題にも触れられており、無申告が生まれやすい構造そのものにも話が及ぶ。悪意の有無にかかわらず生じてしまう申告漏れへの目配りが、そこには込められているとみられる。
 
どのような組み合わせの情報が照合の対象になりやすいのか、そして日頃から適正な申告を続けている側にとって今回の変化がどのように働くのか、動画では具体的な視点をもとに踏み込んだ話が交わされた。真面目に向き合ってきた人ほど、そこで語られる内容に気づかされる。

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