胃袋と心をつかむのげそ天スーパー みんなの居場所を作る特別な場所
山形市にある地域密着スーパー「エンドー」。名物のげそ天目当てに県内外から毎日客が訪れ、子どもから地元のおばあちゃんまでもが、話に花を咲かせる特別な場所。そんなエンドーを支える人たちを取材しました。
山形市郊外、無人駅の駅前通りにあるスーパー「エンドー」。
看板商品は、〝げそ〟と呼ばれるイカの足を揚げた「げそ天」です。
サクサク感を求めて、県内外から客が続々と訪れます。
げそ天に目を付けたのは、店の3代目・遠藤英則さん(46)。
エンドー店主遠藤英則さん(46)「おかずとかおやつとかおつまみとか何にでもなる。いろいろな人に来てもらうために始めたのがげそ天」
げそ天渡す 「どうぞ」「ありがとうございました」
厨房「お願いします」
そんな英則さんを裏から支えるのが、妻のえりさん。
英則さんの妻えりさん「同じものを作ってるのかもしれないけど、毎日違うし、醍醐味だし楽しい」
げそ天スーパー・エンドーを支える人たちの日常を追いました。
3代目店主・遠藤英則さんの発案で、8年前から販売を始めたげそ天。トリュフ塩を使ったブラックや真っ赤な色が特徴の紅ショウガなど県内外から訪れる客を虜にしています。
客「サクッ、んーめっちゃうまい」「おいしいです。サクサクで、間違いない」
営業終了後…。月に1回、店内は酒場へと様変わり。世代を超えて、県外からもリピーターが集まる名物イベントを開催。
「最初はグー。じゃんけんポン。おめでとうございます」
客「もはやエンドーさんってスーパーなのかみたいな。ネオスーパーみたいな。新しい形というか。スーパーの概念で収まらない感じですよね」
毎年お盆を過ぎた時期には、店と駐車場を会場に夏祭りを開催。集まる人はなんと2,000人。
英則さんが「エンドー」で展開する”仕掛け”が、街ににぎわいを生んでいます。
「蕎麦冷たいの2つ入りました」「アジ揚がった」
厨房でおにぎりを作りながら、スタッフに呼びかけているのは、英則さんの妻・えりさん。
英則さんの妻えりさん「毎日新しい。同じもの作ってるのかもしれないけど、毎日違うし、醍醐味だし楽しい」
えりさんは沖縄県出身。高校卒業と同時に上京し、東京の飲食店で働いていたとき、英則さんと出会いました。
英則さんの妻えりさん「山形に遊びに来た時に、英則さんがおしゃべりになってた。東京にいた時より。自分が出せる場所だったらいいところなんだろうなと思った」
山形で5人の子育てをしながら、英則さんを支えようと決めたえりさん。えりさんと働くスタッフは…。
スタッフ「忙しくてもギスギスした雰囲気じゃなくて、みんな明るく忙しいほど楽しい。えりさんいるのといないのとでは違う?全然違う。声を出すと締まる。えりさんの声が響くとみんなちゃんとしている」
スタッフ「お客さんが食べて喜んでいる姿が目の前で見えるので、それがいい」
英則さんやスタッフみんなの立場に寄り添うえりさんは縁の下の力持ち的存在。
英則さんの妻えりさん「助かってる。みんな言わなくても動いてくれるのが助かる。私が休んでた時期に、任せられる、安心できるって感じた」
エンドーの創業は1965年。初代・円三郎さんがリヤカーを使って野菜などを販売したのが始まりです。
その後、2代目の英弥さんが、いまの場所に店舗を構えました。
英則さんの父2代目英弥さん「お客さんからの頼みを聞いて、とにかくお客様第一でやってきた。げそ天でこんなに人気になるとは思わなかった」
午前7時、エンドーの朝は仕入れから始まります。
市場「おはようございます」
仕入れ「かつおもらいます」「ハラス1つ」
エンドー店主遠藤英則さん「豊洲と山形の市場から買っている。山形にしかないものもあれば、東京にしかないものもあるし、それを合わせて仕入れている」
午前9時、スタッフの皆さんが続々と出勤します。
スーパー・午前10時開店。「すいません。お待たせしました。どうぞ、いらっしゃいませ」
エンドーではげそ天以外にも、日替わりで、バラエティーに富んだ総菜が並びます。
スタッフが調理や仕込みをしながらアイデアを出し合うのが日常の風景。その1コマです。
野田直子さん「オイル漬け、ニンニク醤油漬け、また漬けになっちゃうな」野田直子さん「軟骨を取る作業やる?」
荘司未夢さん「やらない。パスタにして?」
野田直子さん「やっぱそうだよね!しようよ」
英則さん「冷製じゃないとあったかいのは、チンしたら爆発するもん」
荘司未夢さん「から揚げにしたらおいしそう」
英則さん「うまいよ、から揚げとか天ぷらはうまい」
野田直子さん「から揚げいいね」
出されたアイデアはまずやってみる。それがエンドーのスタイル。
総菜担当荘司未夢さん「ご飯作るのが好き。甘じょっぱくしてます。エンドーでは。エンドーのおばあちゃんの味を引き継いでいる。ばあちゃんができなかった分野を作ったりナポリタンとかサラダとか新しく追加して、私が出したいものを出している」
エンドーのおばあちゃんこと、英則さんの母・悦子さんです。
英則さんの母悦子さん「私が嫁に来た頃は、近所の人がこんな味にするんだよって教えてくれた。いまのスタッフみんな親身になって一生懸命やってくれるからエンドーがあるのはみんなのおかげ」
店には地域の子どもたちから、常連のおばあちゃんまでが訪れ、話に花を咲かせます。
エンドー店主遠藤英則さん「山形にこんなちょっと変わったお店あるんだとか、小さい子からおばあちゃんまで見守りながら、お店をやり続けることができれば、一番いいなと思っています」
店全体で支え合って、みんなの「居場所」を作り続けるスーパーエンドー。これからも奮闘は続きます。
