Linuxデスクトップからのウェブアクセスが、ある平日に全デスクトップ向けトラフィックの約22%を占めるまで急増していたことがCloudflareのデータから明らかになりました。一般的なOSシェア統計ではLinuxのデスクトップシェアは5%前後とされることが多いため、約22%というシェアは異常に高い数字です。

Linux desktop use surged to 22% on one workday, Cloudflare data shows | ZDNET

https://www.zdnet.com/article/linux-desktop-use-surged-on-one-workday-cloudflare-data-shows/

ウェブトラフィック分析サイトのStatCounterが報告した2026年7月のレポートにおいて、アメリカのデスクトップPCにおける各OSのシェアはWindowsが57.54%、OS X(2012〜2016のmacOS)が21.14%、Linuxが10.65%、macOSが8.6%、Chrome OSが2.06%、OpenBSDが0%と、Linuxが1割を超えるシェアを獲得しています。従来のLinuxシェアから考えるとこのシェアの数字は大きすぎるため、Linuxファンでさえ「この数字をフェイクニュース」と疑いましたが、世界全体でもLinuxは7.53%と記録されており、以前のレポートと比べて倍近くまで市場シェアを増加させたことが注目されています。

アメリカでは10%以上のデスクトップPCでLinuxが採用されている - GIGAZINE



さらに、人気コンテンツ配信ネットワークであるCloudflareのデータ でも、Linuxデスクトップの人気が高まっていることが分かりました。Cloudflare Radarでは、同社のネットワークを通過するウェブトラフィックについて、デスクトップ・モバイルなどのデバイス種別やOSなどを分析できます。



Cloudflareのネットワークは世界330以上の都市に広がり、20%以上のウェブがCloudflareのネットワークの背後に存在しています。さらに、同社の公開DNSサービス「1.1.1.1」から得られる匿名化・集約データもRadarの分析に利用されています。StatCounterは約100万のウェブサイトを監視しているのに対し、Cloudflareは2400万以上のウェブサイトを監視しているためデータセットがかなり大きく、より市場シェアを表しています。

Cloudflareのデータによると、デスクトップLinuxのシェアは2026年7月の北米のデータで6.4%に達しています。この割合はStatCounterの数値ほど高くはありませんが、2025年7月の北米におけるLinuxシェアが4.1%だったことを考えると、著しい成長と言えます。



データをさらに詳しく分析したところ、デスクトップ版Linuxの使用は平日にピークを迎える傾向があることが指摘されています。特に注目されたデータでは、2026年7月4日の祝日(アメリカの独立記念日)明けの7月6日月曜日には、Linuxの使用率が「22%」という高水準まで上昇していました。

IT系ニュースメディアのZDNETによると、このデータはAIエージェントやボットを除外したものであり、人間のシェアを表しているとのこと。Cloudflareのカウントでは、Linuxユーザーの19%がボットであり、人間とボットを合わせるとLinuxの市場シェアは9.7%になるそうです。

ZDNETは「これらの数字は、労働者がLinuxデスクトップへの移行を主導していることを示しています。この結果は驚くべきことではありません。歴史的に見ても、彼らはPCの制御を重視する人、オープンシステムを好む人、あるいはプログラミングやシステム管理など、Linuxが適している特定の業務に従事する人たちです」と述べています。

また、AIとクラウドのインフルエンサーであるデビッド・リンティカム氏は「Windows 11は技術的にはローカルAIワークロードを実行できますが、複数のツールを使い始めたり、異なるプロジェクトを管理したり、さまざまな依存関係をインストールしたりすると、摩擦が生じ始めます。一方で「Linuxは、まさに『AIデスクトップ』と呼ぶにふさわしい体験を提供してくれました。セットアップは簡単で、主流のAI命令は実際の環境で目にするものと一致し、GPUアクセラレーション対応アプリは安定して動作しました。トラブルシューティングに費やす時間が大幅に減り、プロジェクトの実行に多くの時間を費やすことができました」と語っており、AIを使用するためのOSとしてLinuxが優れている旨を説明しています。

そのほか、Windows 10から11にアップグレードできなくなったマシンを有効活用するためにLinuxが使われたり、Steam DeckなどLinuxベースのゲーム環境が広がったり、Windows上でLinux環境を利用できる「WSL(Windows Subsystem for Linux)」なども普及したりと、Linuxが依然としてニッチな存在ではあるものの緩やかに成長を続けている原因が挙げられています。

今回のデータはCloudflareが測定したものであり、StatCounterなどは調査対象ウェブサイトに埋め込まれた計測コードからページビューを集計するのに対し、Cloudflare RadarはCloudflareのネットワークを通過するHTTPリクエストを集計しています。そのため、Cloudflareではボットやスクレイパーなどの自動通信も数字に含まれるほか、タブレットなどの分類方法にも違いがあるため、CloudflareのLinuxシェアがPCユーザー全体の傾向をそのまま表しているわけではありません。また、今回確認された「22%」という数字は一時的なピークであるため、同じような傾向が長期で継続するのか、それとも特定のワークロードや自動通信によって一時的に押し上げられた数字なのか、今後の動きが注目されています。