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ロシアのプーチン大統領が初めて択捉島を訪問したことを受け、日本政府は強く抗議しました。茂木外務大臣は「北方四島は歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であり、日本国として強く抗議する」とのコメントを発表しています。改めてこれまでの経緯を整理してお伝えします。

■茂木外相「強く抗議する」 政府高官も「受け入れられない」

茂木外務大臣は、プーチン大統領の択捉島訪問を受けてコメントを発表しました。
茂木外務大臣
「北方四島は歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であり、日本国として強く抗議する」

また、政府高官は「事実ならば、我が国の立場に反するものであり受け入れられない」「日本の立場を踏まえて適切に対応していく」としています。

■択捉島は北方領土で最大 1945年にソ連が占領

日本の立場は一貫して「4島ともすべて日本固有の領土」です。一方のロシアは、第二次大戦の結果ソ連のものとなり、現在は「4島ともロシアの領土」だと主張してきました。

戦後の北方領土をめぐる動きでは、1956年に日本と当時のソ連の間で「日ソ共同宣言」が署名されました。この宣言の中では「平和条約」を結んだのちに、「歯舞群島および色丹島の2島」を日本に「引き渡す」ということが明記されました。

この共同宣言は現在でも有効ですが、この「2島返還」の話が最も進んだのは安倍元総理の時代です。安倍元総理とプーチン大統領は27回にわたって首脳会談を行い、2018年にシンガポールで行われた首脳会談では「2島の引き渡し」を明記した共同宣言を基礎に「平和条約交渉」を加速させるという合意に至りました。この合意は、これまでの日本政府の「4島一括返還」から事実上「2島先行返還」に方針転換したという見方が出ました。しかし、その後は交渉が停滞しました。

■ウクライナ侵攻後 ロシア平和条約交渉を中断

大きく事態が変わったのが、2022年のロシアによるウクライナ侵攻です。日本は、侵攻を受けてロシア制裁措置を行いましたが、ロシアはこれに対抗する形で、平和条約交渉の中断、元島民のビザなし交流の停止、共同経済活動の協議にも応じないなどの措置を発表しました。

さらに、2024年にプーチン大統領は北方領土について「残念ながら私は行ったことがない。だが、必ず行く」と訪問に強い意欲を示していました。そして、きのう12日には13年ぶりに極東のサハリン州を訪れ、北方領土問題に触れ「第2次世界大戦の結果として国際文書に明記されている」と、ロシアの領土であることを改めて強調しました。さらに、「安倍晋三元首相をはじめとする日本の指導者たちとは建設的な関係を築いていた」「しかし“隣国(日本)”の立場が変化している」などと批判していました。

■専門家「日本は原則的な立場を発信し続けることが重要」

国際政治学が専門でロシア政治に詳しい筑波大学の東野篤子教授は、プーチン大統領の北方領土初訪問に関して「特に驚きではなくいつかこうなると思っていた」といいます。重要な外交日程をぬった合間のタイミングではあるものの、深読みするなら結果として「終戦の日に近いタイミングで北方領土に行くことで日本に一定程度の衝撃を与えているのは事実」としています。

東野教授は、プーチン大統領には「日本を標的にして、妥協なく接していくという姿勢」がみられると分析しています。その上で、「『北方領土をちらつかせたら妥協する国だと思われているが』今回は、これに乗らないことが必要で『日本は原則的な立場を国際社会に向けて発信し、立場を変えない』ということが重要だ」と指摘しています。