消費者の購買意欲を後押しする定番の手法として広く浸透してきたポイント還元は、設計や運用の仕方次第で法律の枠を踏み外しかねない危うさもはらんでいる。大手航空会社JALが運営する保険サイトが、保険業法違反の疑いで関東財務局への報告に至ったことが明らかになった。消費者にとって馴染み深いポイントの仕組みが、なぜ法律違反にまで発展してしまったのか。脱・税理士の菅原氏が動画の中で、その経緯を独自の視点で読み解いている。
 
このサイトは複数の保険会社の商品を紹介するプラットフォームで、経由して契約が成立するとJAL側に手数料が入り、契約者にはJALのポイントが付与される仕組みになっていた。保険の契約という比較的高額な取引を仲介するだけに、事業者側に入る手数料は相応の額に上るという。問題視されたのは、付与されたポイントが現金化できる性質を持っていた点だ。保険契約の見返りとして現金同様の利益を提供する行為は、保険業法が禁じる範囲に触れる可能性がある。対象となった契約は十数社の保険会社にまたがり、還元されたポイントの総額も小さくない規模に上るという。すでに受け取ってしまった契約者に対し、今さら返還を求めるべきかどうかという悩ましい論点も残る。
 
菅原氏が特に注目するのは、JALが該当ポイントを現金のように利用できる前払い式の支払い手段として、あらかじめ財務局に届け出ていたという経緯だ。単なる認識不足では片付けられない、グレーな領域を自覚した上での運用だった可能性がにじむ。実際、今年に入ってから一部契約者への付与を取りやめる対応も取られていたといい、事業者側にも一定の迷いがあったことがうかがえる。契約者への還元という一見顧客本位に見える施策の裏側に、どのような判断や事情が積み重なっていたのか、動画では踏み込んだ考察が丁寧に描かれていく。
 
菅原氏は、還元を用意すれば契約が伸びるという事業者側の心理には理解を示しつつも、こうした一線を越えた不祥事には厳しい姿勢を崩さない。動画の後半では、商品券の経費計上や宝くじ当選金の税務処理、役員昇格に伴う退職金の扱いなど、視聴者から寄せられた数多くの税務に関する質問にも答えている。ポイント還元を日常的に活用している人にとって、企業のキャンペーンとどう向き合うべきか、その判断材料となる視野が広がる内容だ。

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