楽天グループ、上期営業・税引前利益が7年ぶり黒字―株主優待「最大45%」の条件は?
楽天グループが10日発表した2026年12月期上期決算で、税引前利益と中間利益が7年ぶりに黒字となった。しかし、楽天グループ自身の株主の取り分は109億円の赤字である。株主優待の無料回線は取得額の最大45%相当だが、これは1年受け取れた場合の数字だ。新NISAの非課税効果は、当面は売却益に限られる。
■7年ぶりの黒字 なぜ株主の取り分は赤字か
上期は税引前利益が179億円、中間利益が254億円の黒字だった。会社によると、この2つが黒字になるのは2019年上期以来7年ぶりである。それでも、楽天グループの株主に帰属する損益は109億円の赤字だった。黒字の多くを子会社が稼いだためだ。上場子会社を含むフィンテック子会社には、楽天グループ以外の株主もいる。上期はその株主の取り分が364億円あった。中間利益254億円から差し引くと、109億円の赤字が残る。
本業の数字は改善している。売上収益は前年同期比12.9%増の1兆3,091億円だった。フィンテック事業が25.1%増、モバイル事業が13.3%増と伸びている。
営業損益も、前年同期の66億円の赤字から504億円の黒字に転じた。赤字が続くモバイル事業の損失が、884億円から710億円へ縮んだことが大きい。
この504億円は、固定資産の減損損失201億円を差し引いた後の数字である。うち157億円は、貸し出していた倉庫を自社で使うことにしたためだ。一時的な損失を抱えたうえでの黒字といえる。ただし、その利益が楽天グループの株主にまで届くのはこれからだ。
■優待45%になる人 ならない人
優待の価値は、使うデータ量で3倍近く変わる。現行の優待では、100株以上を持つ株主は、音声とデータ通信30GBが6カ月無料になる。継続の条件を満たせば、最長1年まで延びる。無料になるのは楽天モバイルの月額料金なので、もともと払う額が多い人ほど得をする。10日終値の864円で計算すると、100株の取得額は8万6,400円である。月20GBから30GBを使う人なら税込3,278円が無料になり、1年で3万9,336円、取得額の45.5%に当たる。ただし1年無料が続いた場合の数字で、6カ月なら半分の22.8%となる。
20GB以下なら2,178円で、年2万6,136円の30.3%となる。3GB以下なら1,078円で、年1万2,936円の15.0%だ。同じ100株でも、価値は3倍近く開く。
サブ回線として追加する場合は、既存の回線料金が残る。通信費が実際に減らなければ、優待をもらっても家計は変わらない。
■新NISAで見るべきは優待と業績の持続性
優待の内容は、NISA口座でも課税口座でも変わらない。2026年12月期の配当予想は未定である。現時点でNISAの非課税効果が期待できるのは、主に将来の売却益が出た場合だ。また、現行の優待はすでに申し込みが終了しており、12月末の株主に同じ内容が提供されるとは決まっていない。
楽天モバイルの料金を実際に減らせる人には、優待の価値は大きい。ただし業績面では、親会社株主に帰属する損益がまだ赤字のままだ。最大45%という数字だけで判断せず、次回優待の内容と、利益改善が株主にまで届くかを確認したい。

