中国・上海の「ちいかわ」グッズ店に詰めかけたたくさんの人たち(NNA=共同)

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 ちいかわ。「なんか小さくてかわいいやつ」──。7月24日から公開の「映画ちいかわ 人魚の島のひみつ」が公開3日で興行収入が22億円超え、10日で44億円超えのスマッシュヒットを放っている。米経済誌のブルームバーグまでが、「この夏の主役はちいかわ」「日本発ブーム世界へ」と取り上げているほどだ。

また株価急落で「AIブーム株高」は終わりなのか…キオクシア株は年初来高値から半値以下に

 ちいかわ(ネット漫画)は、2020年1月にXで連載がスタート。Xだから掲載以外の諸経費はゼロ。それが爆発的に国民的キャラにまで発展したのだから、SNS時代のIP(知的財産)の優等生などともいわれる。

 実際、ブルームバーグがいうように、既に外国にまでブームは波及し、24年に中国のユニクロまたはダイソーとも称される小売りの「MINISO」と上海でコラボ販売を行ったところ、最大で一時7000人の行列待ちとなるくらいアジアを中心に日常的キャラになっている。

 その爆発力の凄さは、25年にマクドナルドが、ちいかわとのコラボ販売を行ったところ、グッズ欲しさにマックの食品の大量廃棄が問題になったことは記憶に新しい。

 東南アジアでの「ちいかわ経済圏」は1000億円を超えたとされ、ガンダムやポケモンとも肩を並べるほどだ。

「高市政権では、17の成長分野に国と民間が投資し、IPでも550億円が投資されるとしていますが、そんなものを待つまでもなく日本のキャラクタービジネスは拡大していて、矢野経済研究所の試算では、26年は2兆9635億円になるとされている。もはや一大産業です」(経済部記者)

 では、ちいかわ経済圏で潤う銘柄はどれか。ライセンスと販売はいずれも非上場の2社で行い、ここは分からない。

 上場関連銘柄で見ると、ヒットしている映画の「東宝」、コスメや生活雑貨の「粧美堂」、玩具やカプセルトイの「ハピネット」があげられる。

 その東宝では、今回の公開では全国447館で上映。池袋TOHOシネマズでは、1日に41回も上映するという力の入れようだ。株価も23日の約1350円から反発し、一時は1600円をうかがうまでに跳ね上がった。粧美堂やハピネットは、必ずしもちいかわだけに頼ってはいないが、前者は500円に満たなかった株価が今や1000円水準に。後者も1000円が3000円水準となっている。

 より広い経済圏でいえば、最大の恩恵を受けるのは小売りのコラボだろう。直近では、セブン-イレブンが映画の公開と合わせてコラボを展開。ANAは10月からジェットまで飛ばす。だがマックの騒動もあり、取り扱いは要注意だ。

(横関寿寛/ジャーナリスト)