「軽」で市場開拓を狙う(中国BYD社の軽EV「RACCO(ラッコ)」)/(C)共同通信社

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 中国EV(電気自動車)大手のBYDが、海外メーカーで初となる軽EVの「ラッコ」を日本で発売した。

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 ダイハツが製造する「タント」のような型で、全長約340センチ・全幅約148センチ。一充電走行距離は200型が210キロ、300型が320キロだ。希望小売価格は214万円台〜で、補助金を活用すると200万円以下に抑えられるという。

 BYDは1995年に電池メーカーとして創業。2003年に自動車事業に参入し、08年にPHV(プラグインハイブリッドカー)の製造を始めた。20年以降は中国政府による補助金のEV振興策もあり、生産台数を拡大していく。25年の新車販売台数は460万台で、EVメーカーではトップ。ホンダや日産の生産台数を上回る。

 中国では新車販売に占めるEV化率が50%を超えるまで市場が拡大し、BYDもその流れに乗った。

中国ではIT企業や地方政府の関連企業までがEVに参入し、価格競争が激化した。小型車はガソリン車より安いため、不動産バブル崩壊による不景気で安いEVが売れるようになった。BYDは電池の内製化でコストを抑えられる点が強み」(自動車メーカー関係者)

 BYDは15年にEVバスで日本市場に参入し、23年に初の乗用車「アット3」を発売した。25年におけるアット3の国内販売台数は僅か3742台。今回の軽投入で日本市場を開拓するのが狙いだ。

 中国とは対照的に日本のEV普及率は3%に満たず、国内メーカーも売れるEVを開発できなかった。トップシェアの日産「サクラ」でも4年間の累計販売台数は約10万台。日産は10年に「リーフ」を発売したが、ガソリン車の後塵を拝した。

「EVはガソリン車よりも価格が高い上に、充電インフラが整っていないため、ニーズも限定的だった。一般的な集合住宅では充電できない。メーカーもハイブリッド車に注力し、充電インフラの整備に力を入れなかった。後にEVの開発を始めたが、既存のガソリン車の生産ラインを活用するため制約が多く、時間がかかっている」(前出のメーカー関係者)

 だが、26年上半期の国内EV販売台数は前年比2.1倍で5万9000台を突破した。国は1月からEV補助金を90万円から130万円に増額。トヨタ「bZ4X」や日産の新型「リーフ」など、国内勢の新車も牽引した。

 ハイブリッド車の売れ行きが好調な北米を中心に、EV化に逆行する潮流もあるが、国内では成長期を迎えようとしている。市場拡大の勢いに乗れるのか、ラッコの今後に注目が集まる。

(山口伸/ライター)