「100回くらい盗撮した」――近年、相次ぐ教員の性犯罪。信頼の厚い教師や良き父親という「素顔」の裏で、教員グループによる児童の盗撮や画像共有が横行していた。犯行を重ねる男たちの実態とは? 西川口榎本クリニック副院長として様々な依存症治療と向き合ってきた斉藤章佳氏の新刊『校内盗撮』(集英社インターナショナル)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/続きを読む)

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写真はイメージ ©getty

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全国に衝撃を与えた「教員グループ盗撮事件」

 学校は本来、子どもたちにとって、もっとも安全で安心な場所です。教室や廊下、トイレ、更衣室など、あらゆる空間が「安全・安心である」という前提があってこそ、日々の学校生活は成り立っています。

 しかし近年、その信頼を根底から覆すような盗撮事件が絶えません。なかでも社会に大きな衝撃を与えたのは、2025年に発覚した教員グループによる事件でした。

 安全・安心であるべき学校で、彼らはあろうことか児童を盗撮し、その画像をSNSのグループチャット内で共有していたのです。

 発端は同年3月、愛知県名古屋市の30代教員が器物損壊の容疑で逮捕されたことでした。当初、彼は駅のホームで女性のリュックに体液をかけた疑いでしたが、押収されたスマートフォンの解析から、教員らによる盗撮グループの存在が明らかになりました。

 そこからは、まさに芋づる式に逮捕者が続出。さらには盗撮だけでなく、児童の学用品に体液を付着させたり、児童の身体を触ったりなど、おぞましい所業が次々と白日の下に晒されました。

 事の重大さを受け、当時の文部科学大臣は「本当に怒りを覚える」と言及。愛知県警も捜査本部を設置し、動員された捜査員は70名を超えました。

 これはきわめて異例であり、事態の深刻さを物語っています。

 このグループによって被害に遭った児童・生徒は、全国で75名以上にのぼるといわれ、これまで愛知県の他、神奈川県や岡山県、東京都、北海道などで計7名が逮捕されました。

 加害者のなかには、実刑判決が出ている人物もいます(2026年4月時点)。このような犯行を重ねたのは、どのような人物なのでしょうか。

良き父親だった加害者も

 週刊誌やウェブニュースの記事の見出しには「変態教師」「ロリコン」といった煽情的な文言が躍りましたが、逮捕者のなかには保護者からの信頼も厚く、家庭では良き父親であった者も含まれていました。

 グループを主宰した中心人物は、学年主任という責任ある立場にあり、行事の撮影係も務めていました。

 裁判では、授業の様子を記録するためのカメラに、女子児童の着替えが偶然写り込んだことを機に、彼は盗撮に手を染めたことが明かされています。

 そして、この原稿を執筆していた最中(2026年3月)にも、神奈川県内の小学校教員が、女子児童のスカートの中を盗撮したというニュースが飛び込んできました。

 この教員の「100回くらい盗撮した」という供述に驚きつつも、頻発する校内盗撮のニュースに「またか」とつい思ってしまうほど、どこか麻痺した感覚を覚える人も多いでしょう。校内盗撮は、それほどまでに「ありふれた」事件になりつつあるのです。

「スカートめくりと変わらないですよね」だから性犯罪はなくならない…「盗撮をいたずらの延長と考える」高齢男性に見た“日本のヤバさ”〉へ続く

(斉藤 章佳/Webオリジナル(外部転載))