「大谷」つながりで新作ポテチ発売、気仙沼の大谷いもを珠洲「大谷塩」で味付け…被災地結ぶ商品に
宮城県気仙沼市大谷(おおや)地区産のジャガイモを、石川県珠洲市大谷(おおたに)地区特産の「大谷塩」で味付けしたポテトチップスが8日、気仙沼市の「道の駅 大谷海岸」で発売された。
「大谷」つながりで生まれた縁が、東日本大震災と能登半島地震の被災地を結ぶ商品に結実した。(小山太一)
発売されたのは「大谷(おおや)チップス」(税込み550円)。ジャガイモは男爵で、海藻を肥料として畑にすき込むのが特徴だ。近年は廃れていたが、道の駅の特産にしようと2020年に有志が復活させ、「大谷いも」の名で年間約2トンを販売する。
両市の縁が生まれたのは24年の能登半島地震だ。日本海に面した珠洲市北部の大谷地区も道路が寸断され、一時孤立した。気仙沼市大谷地区の復興に携わってきた大谷まちづくり協議会の小野寺英彦会長(61)は「地震で地名を知り、人ごととは思えなかった」と言う。
小野寺さんらは同年夏、支援物資として大谷いもを送った。さらに昨年は協議会のメンバーと珠洲市の仮設住宅を訪れ、復興後のまちづくりの経験を話した。その際、伝統の「揚げ浜式製塩法」で海水から作られる大谷塩について耳にした。
一方、「道の駅 大谷海岸」でも能登半島地震支援の一環で、石川県羽咋市の「道の駅 のと千里(ちり)浜」で加工するサツマイモのチップスなどを販売してきた。今年に入って大谷いものポテトチップス生産の案が浮上し、小野寺さんが「大谷塩を使えないか」と提案した。
塩を作る中前製塩(珠洲市)は地震で経営者が亡くなり、24年秋の奥能登豪雨でも塩田が被災した。会社を引き継ぎ、塩作りを続ける経営者の娘、阿部良枝さん(49)は「古里の力になれば」と快諾した。
大谷チップスは1袋50グラム入り。8日は「大谷海岸」の特設コーナーで大谷チップスと大谷いも、大谷塩が並んで販売され、多くの観光客が手に取っていた。
「大谷海岸」では約500袋用意。今月下旬からは「のと千里浜」でも販売する。今後、随時増産する方針という。
小野寺さんは「全国の人たちのおかげで我々は復興できた。能登の大谷も、全国の支援を力に変えて、ぜひ復興してほしい」と話している。

