「通れるようになるまで数か月」熊本地震で通行止めの九州道 専門家は耐震対策が機能したことを評価
熊本地震で九州自動車道の通行止めが続き、物流などに影響が出ていますが道路インフラに詳しい専門家は、「通れるようになるまで数か月、元通りになるまでには数年単位の時間がかかる」との見方を示しました。一方、10年前の熊本地震の教訓を生かした耐震対策によって、人命を守るための対策は機能したと評価しています。
今回の地震で橋桁が大きくずれ、寸断された九州自動車道。宮崎のえびのインターから熊本の松橋インターまでの区間は、地震発生直後から通行止めが続いています。
「非常に大きな損傷が今回も起こってしまった。ただ、完全に橋桁が地面に落ちることがなくて、実は10年前の地震からの教訓で、変わってきている」
今回の被害について、土木工学が専門の鹿児島大学・審良 善和准教授は、10年前の熊本地震より被害は大きい印象を受ける一方、耐震技術の進歩によって最悪の事態は防がれたと分析します。
(鹿児島大学 審良善和准教授 土木工学専門)
「橋から落ちているような桁があったと思うんですが、実はこれ、隣の桁とつながっていて、これを『落橋防止』というんですけど、このワイヤーで、下まで落ちないようにここで維持させている。命を守るためにどうするべきかというところが整備され、しっかりと機能している」
九州道の被害は、断層の影響も受けているとみられ、通行できるようになるまでに数か月、完全に元の状態に戻すまでには数年単位の時間が必要になるとみられます。
(鹿児島大学 審良善和准教授 土木工学専門)
「断層の影響を大きく受けていると考えると、すぐには直らない。応急復旧でも数か月。完全にこれらの施設を直すには、数年単位の時間を要するのではないかと思っている」
夏休みの時期、そしてお盆前の九州の大動脈の寸断。物流や観光、帰省など、市民生活への影響も長期化する恐れがありますが、審良准教授は不要不急の移動を控えることが復旧を後押しすると話します。
(鹿児島大学 審良善和准教授 土木工学専門)
「迂回路はある程度確立はできてますが、みんなが集まってしまうと、被災されている方々への物資輸送が遅れたり、いろんなところで影響が出てくると思います。不要不急の移動は我慢していただいて、逆に応援していただきたい」
九州道に加え、九州新幹線でも熊本駅と新水俣駅の間でレールの大きなゆがみが確認されています。JR九州は、この区間について8月中の運行再開は困難と発表しました。
また、肥薩おれんじ鉄道も一部の区間で線路が変形したり、乗降場が破損するといった大きな被害が確認されていて、復旧に時間を要する見込みです。交通網の一日も早い回復が望まれます。

