20日、ニューデリーで、教育相の辞任を求める若者たち=青木佐知子撮影

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 【ニューデリー=青木佐知子】インドで、政府に不満を持つ若者らの抗議運動「ゴキブリ人民党(CJP)」が支持を広げている。

 背景には雇用不足や格差への怒りがある。20日には首都ニューデリーで大規模な集会が開かれ、一部の参加者が治安当局と衝突した。

 「インド万歳」「モディ(首相)を辞めさせて国を守ろう」

 ニューデリー中心部の広場では早朝から数千人の若者らが集まり、気勢を上げた。参加者はこの日開会した夏季国会に合わせ、国会に向けて行進を行った。バリケードを破ろうとした若者に対し、治安当局が棒でたたいたり催涙弾を発射したりした。

 運動のきっかけは、最高裁長官が5月、失業中の若者を「ゴキブリ」に例えてさげすんだことだ。これに憤った社会活動家アビジート・ディプケ氏が、ナレンドラ・モディ首相率いる与党・インド人民党(BJP)をもじって、架空の新党としてCJPの設立を発表した。「入党」条件は無職であることで、SNSのフォロワー数は2300万人を超えた。

 支持拡大の背景には著しい格差がある。多くの若者は貧困から抜け出そうと厳しい受験競争に挑むが、今年5月の大学医学部の入試では問題漏えいが発覚し、200万人以上が再受験を迫られた。印メディアは、再試験へのプレッシャーなどで10人以上が自殺したと報じ、教育相の辞任を求める街頭での抗議運動に発展した。

 著名な社会活動家ソナム・ワンチュク氏も賛同し、ハンガーストライキに入った。ワンチュク氏がやせ細る中、政府への批判がさらに高まった。北部アグラから駆けつけた受験生のアユシュ・クマールさん(16)は「最初の入試はうまく解けたが再試験で不合格となり、怒っている。若者の未来について政府は責任をとるべきだ」と語った。

政府事態収拾へ

 印政府は事態の収拾に乗り出し始めた模様だ。抗議運動の広報担当者は20日午後、政府から連絡があり、保健相と面会したとSNSで明らかにした。要求をまとめた書簡を提出し、「内部で検討する」との言質を得たという。バングラデシュやネパールなど南アジアでは近年、経済の低迷や汚職に不満を持つ若者らの抗議が広がり政権崩壊を招いただけに、政府は運動の広がりを警戒している。