バレー男子日本、衝撃12戦全勝の要因 「自分がダメでも…」指揮官、主将らが口々に揃えた信頼
ネーションズリーグ第3週大阪大会
バレーボール男子日本代表(世界ランキング4位)は19日、ネーションズリーグ(NL)予選ラウンド(R)第3週大阪大会(Asueアリーナ大阪)でアルゼンチン(同14位)に3-0(25-22、25-22、25-16)で勝利。NL史上初の予選R12戦全勝の快挙を達成した。決勝Rは29日から中国・寧波で行われる。ロラン・ティリ監督は「みんなで同じ方向を向いていた」ことを快進撃の要因に挙げた。
チーム力の底上げを感じさせる12試合だった。主将の石川祐希は仲間への信頼を口にする。
「ずっと調子がいい、という選手はいなかったが、代わったメンバーがしっかり(試合に)入れて、自信を持ってコートに立てていた。そこがこのチームの成長しているところ。誰が出ても勝ちきれるという自信はこの12戦で得ることができた」
16日のカナダ戦は2セットを先取されたが、第3セットから途中出場のメンバーが奮闘。ベンチスタートだった大塚達宣、宮浦健人、富田将馬が2桁得点をマークするなど逆転勝利に導いた。17日のベルギー戦では石川や西田有志を温存。高橋藍もリリーフサーバーとしての起用にとどまった。そんな中で、登録メンバー最年少の22歳・甲斐優斗がチーム最多の18得点。ストレート勝ちに貢献した。
ティリ監督は「今すごくチーム内での競争がどんどん高まっていて、どのポジションでも全員に各々ライバルがいて切磋琢磨している。先日も甲斐選手が出て、その力を見せてくれた部分もある。チーム全体が競争していく中で、どんどん士気が上昇していく感じがある。それは良いことと捉えている」と評価する。
ただ高め合うだけではない。西田は同じポジションの宮浦との関係性について力説した。
西田「自分がダメでも宮浦さんがいるし、宮浦さんがダメでも僕がいる」
「ライバルと言われるが、戦うこと全てがライバルじゃない。切磋琢磨してレベルを上げて、リスペクトを持ってやっている。自分がダメでも宮浦さんがいるし、宮浦さんがダメでも僕がいる、というのが今の僕たちの関係性。だから練習もしっかりできるし、そこに詰まっているかなと思う」
西田は昨年1年間、代表活動を休養した。「去年は宮浦さんが1人でずっとプレーして、非常にしんどい状況で思い詰めることもたくさんあったと思う。そこを自分たちでも50%、50%ぐらいにできれば」。どれだけ優れた選手でも、常に絶好調とはいかない。調子が良くない時にも、お互いバックアップし合える存在がいることは「気持ち的に楽」と西田は感謝した。
予選Rは結果的に「12戦全勝」という圧倒的な成績になったが、第6戦のイラン戦から第10戦のカナダ戦まで5連続でフルセットの激闘。第2戦のポーランド戦も含め、12試合のうち半分が第5セットまでもつれ込んだ。ティリ監督は「タイブレークは本当にどちらに転ぶか分からない。勝ちきるには少しのチャンス、ラッキーが必要で、それをみんなで取りに行ったのが全て勝てた要因」と分析する。
予選Rの全勝突破はNL史上初の快挙。「一番の要因はみんなで同じ方向を向いていたこと。1つの試合を1つの成長の過程、成長の証としてみんなで取り組んだ。それを個人なり、チームなり、コーチなり、みんなでやっていったことが勝利に繋がった」と指揮官は胸を張る。
チーム全体で意識していたのは「No ranking, No name, We play」。相手のランキングや名前に惑わされず、ただただ自分たちのプレーをすることを徹底した。首位で迎える決勝Rも同じ姿勢で臨む。ティリ監督は「カナダやフランス戦では最初0-2で負けていたこともあるので、あまり調子に乗る発言はしたくない」と謙虚に笑いつつ、すでに次を見据えた。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)

