井口資仁氏、侍ジャパン新監督最有力 初のメジャー経験指揮官誕生へ 大谷とロス五輪金目指す
侍ジャパンの新監督として、元ロッテ監督の井口資仁氏(51)が最有力候補に挙がっていることが16日、分かった。侍ジャパン強化委員会が人選を進めており、正式決定すれば初めてメジャー経験者の侍指揮官が誕生する。新監督は11月に行われる第3回アジアプロ野球チャンピオンシップが初陣。大リーグの現役選手が初めて参加する可能性が高まっている28年のロサンゼルス五輪で金メダルを目指す。
ドジャース・大谷らメジャー組が中心となる可能性のある28年ロス五輪。井口氏はかつて大リーグで活躍し、現在も太いパイプを持つ。準々決勝敗退に終わった3月のWBC後、「世界一奪還」に向けて新監督の人選が進められてきた。
契約満了で退任した井端前監督の後任人事。11月のアジアプロ野球チャンピオンシップを踏まえ、侍ジャパン強化委員長のNPB・中村勝彦事務局長は6日に「10月に(出場)選手を決めるので、それまでに監督が決まっていれば」とメドを示していた。
井口氏は現役時代にダイエー、ロッテで3度日本一を経験した。05年にはホワイトソックスで世界一に貢献。日米通算2254安打、295本塁打、224盗塁という強打の右打ち内野手だった。18年から5年間ロッテで指揮を執り、指導者としての経験も豊富で、佐々木(現ドジャース)を育成した。現在は野球解説者としてMLB情報番組に出演し、世界の野球や選手の特徴も熟知している。
侍指揮官は選手の招集役も担い、メジャー組との交渉に渡米するなど編成面の役割も大きい。WBCでは大会主催者に送った大谷らメジャー組の招集可否を問い合わせたリストの回答が一向に返ってこず、国内組の編成にも影響して後手に回った。井口氏は9日にホ軍の本拠地で行われたレッドソックス戦の始球式を務めるなど、NPBだけではなく現在もMLB球団と強いつながりを持つ。
青学大時代の96年にはアトランタ五輪に出場し、決勝でキューバに敗れ銀メダルだった。夏季五輪は同大会以来32年ぶりに米国で開催される。「金メダル」の忘れ物を取りに行く舞台になる。その前には五輪予選を兼ねて来年11月にプレミア12が開催される。国内組で挑むことが濃厚で、アジア枠最上位で出場が決まる。逃した場合は世界最終予選に回る厳しい戦いになる。
3月のWBCはメジャー組が前回の4人から倍増し、過去最多8人が出場した。ロス五輪ではさらに更新する可能性がある。年間通じての調整も熟知したメジャー経験者の侍監督誕生が待望される。
▽96年アトランタ五輪の野球日本代表 社会人、大学のオールアマで結成され、大学からは青学大・井口資仁、東洋大・今岡真訪が選出。他に社会人は松中信彦、福留孝介、谷佳知らのちにプロ入りする強打者がメンバー入りした。井口は遊撃として全9試合にスタメン出場。予選リーグ・韓国戦では5打数5安打など、通算35打数15安打、打率.429と強力打線を支えた。決勝でキューバに9―13で敗れて銀メダル。00年シドニー五輪はプロアマ混合での出場となり、04年アテネ五輪以降はオールプロの出場。
▽ロス五輪出場枠 6チームが出場する。既に開催国枠で米国、また3月のWBCで優勝したベネズエラ、4強のドミニカ共和国が成績上位で出場権を獲得している。日本は来年11月のプレミア12で出場権獲得を目指す。プレミア12ではアジア最上位国と、欧州・オセアニアの最上位国に出場権が与えられる。ここで出場権を逃した場合は、28年3月までに開催される世界最終予選で最後の椅子を争うことになる。ロス五輪野球は開会式前日の28年7月13日に初戦を迎え、3チームずつの1次リーグの後にトーナメント戦で争う。全試合がドジャースタジアムで行われる。
◇井口 資仁(いぐち・ただひと)1974年(昭49)12月4日生まれ、東京都出身の51歳。国学院久我山から青学大を経て96年ドラフト1位でダイエー入団。01、03、04年に二塁手でベストナイン、ゴールデングラブ賞、01、03年に盗塁王獲得。05年にホワイトソックスに移籍しワールドシリーズ制覇に貢献。その後、フィリーズ、パドレスでもプレーし09年からはロッテで国内復帰。13年7月26日楽天戦で日米通算2000安打を達成。17年で引退し18年から22年は監督を務めた。日米通算2408試合で2254安打、295本塁打、1222打点、224盗塁、打率・270。右投げ右打ち。

