JRT四国放送

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みなさんは、鳴門市の「わかめ王子」をご存じでしょうか。

祖母の代から続く土産物店を継ぎ、地元を盛り上げようと日々奮闘する、若き「わかめ王子」を取材しました。

(記者)
「わかめ王子~」

(わかめ王子・豊田瑛士さん)
「はーい」

弾けるような笑顔で迎えてくれたのは、豊田瑛士さん。

彼こそが、巷で噂の「わかめ王子」です。

(わかめ王子・豊田瑛士さん)
「自分が名乗りだしたのが一番のきっかけではあるが、SNS上でみなさんが僕のことを『わかめの人や』と言ってくれていたので」

豊田さんは、鳴門市出身の28歳。

大阪の大学を卒業後、人材系ベンチャー企業に就職し、ビジネスの最前線で活躍していましたが、2年前に退職し帰郷。

実家の「豊田商店」の代表として、看板を引き継ぎました。

店の始まりは約50年前。

祖父母が始めた移動販売がきっかけでした。

その後、大鳴門橋の開通を機に現在の場所に土産物店を構え、今では親子三世代でその暖簾を守っています。

(わかめ王子・豊田瑛士さん)
「創業してからもずっと鳴門の方々にいっぱい支えられてきて、いっぱい助けられてきて」
「その感謝を、鳴門に貢献という形で返していきたいという思いを(祖母から)聞いて」
「僕がその思いを継いでいかなあかんなっていうふうに思ったのが結構大きい」

(わかめ王子の祖母・ 豊田ハナ子さん)
「私一人ではお返しできんなというところがあるんでね。(継いでくれて)ほんまに感謝している」

(わかめ王子の母・渡邊英子さん)
「私病気したりもしたんで、(帰ってきてくれて)安心したというか、良かったと思いました。心から」

豊田さんは得意のSNSを駆使しながら、接客から営業までマルチにこなします。

ここでしか買えない価値を創造することこそが、小さな店が生き残る道。

そう語る「わかめ王子」に、自社製品を紹介してもらいました。

(記者)
「この魚は、どういうふうに商品化しているんですか」

(わかめ王子・豊田瑛士さん)
「漁師さんや市場から仕入れてきた魚を家でさばいて、一つ一つ独自で作っています」

「このわかめは、直接、昔から取引のある漁師さんから仕入れて、うちでパック詰めして販売している」
「やっぱり味だったり、かわかめの厚さっていうのがすごく大事なので」
「仕入れる時に一つ一つ僕たちが食べて比べて、それで選んでいます」

「TikTok」

様々なSNSの特徴を捉え、戦略的な情報発信を続けるわかめ王子。

(わかめ王子・豊田瑛士さん)
「僕が鳴門とか徳島の魅力を伝えていく側なので、僕の投稿を見てちょっとでも行きたいなとか」
「ちょっと興味あるなって、思ってもらえるような投稿を心掛けている」

一見、順風満帆に見えるわかめ王子ですが、その裏では経営の厳しさに直面することもありました。

(わかめ王子・豊田瑛士さん)
「僕が継いだタイミングは赤字だったが、おばあちゃんが昔からずっとお店をやっていて、すごい楽しそうに仕事をいつもしていたので」

「でも、実際にやってみると本当に分からないことばっかりだし、しんどいこともすごく多いし、壁にぶち当たってばっかりだし」
「経営ってこんなに難しいんだなと」

試行錯誤を重ねながら少しずつ赤字経営を脱却し、経営を立て直してきたわかめ王子。

そんな豊田商店にわかめを卸している地元の漁師に話を聞きました。

(漁師・西上大貴さん)
「アイスをじいちゃんに買ってもらったりとか、カップラーメンを買ってもらったりとか」
「小さい頃から(豊田商店に)なじみみがあって、大きくなって自分が仕事をするようになって」

「商品を取引させてもらうようになって、めちゃくちゃありがたい」
「貢献もできているし、逆に貢献もしてもらっている」

そんな豊田商店では、2種類のユニークな体験が楽しめます。

熟練スタッフが魚のさばき方を丁寧に教えてくれる「ひもの作り体験」に、天草を湯がくところから始まる、本格的な「ところてん作り体験」。

待ち時間には、オリジナルの「ところてんクイズ」が出題されるなど、退屈させない工夫が光ります。

(わかめ王子の母・渡邊英子さん)
「ところてんを漢字で書くと?」

(記者)
「・・・」

(わかめ王子の母・渡邊英子さん)
「知っている方も割といるんですけど『心太』」

単なる土産物店ではなく、ここでしか味わえない感動を届ける、まるで体験型観光スポットのよう。

わかめ王子が、その視線の先に見据えるこれからの展望とは。

(わかめ王子・豊田瑛士さん)
「まず飲食店をやりたいなと思っている」
「観光の拠点となるような、ただのお土産屋さんではなくて、ここにめがけてお客様が来て下さるような、お店になって観光地になって」
「もっともっと地元を盛り上げていって、今までいただいた恩を返していきたい」

(客)
「嫁はんがここの(わかめ)じゃなかったら、あかんっていうんよ」

(記者)
「わかめ王子ありがとう」

(わかめ王子・豊田瑛士さん)

「ありがとう~」

地元への恩返しを胸に。

「わかめ王子」の熱い挑戦は鳴門の地から、新しい渦を起こし続けます。