※画像は生成AIによるイメージです

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「良好なご近所付き合い」――そう信じていた関係が、ある発見をきっかけにぎこちなくなることがあるようです。警察庁によれば、緊急性のない相談を受け付ける「#9110」の取扱件数は令和5年で259万6188件、前年より約10%増えています。ストーカーや悪質商法、家庭内トラブルなど内容は幅広く、その中に近隣関係の悩みも含まれます。みんな、それぞれに何かを抱えているのかもしれません。
そうした悩みの中でも、少し変わった事例が「電気の盗用」です。近年もコンビニの屋外コンセントを無断で使い炊飯器で調理していた男が逮捕されるなど、たびたび報じられています。電気は刑法上「財物」とみなされ、窃盗罪(10年以下の懲役または50万円以下の罰金)の対象になります。

今回紹介するのは、過去に大きな反響を呼んだ実録エピソード。東京都下の郊外で中古戸建てを購入した男性が、裏に住む穏やかな老夫婦から電気を盗まれていた話です。後半では、いまの暮らしだからこそ気になる屋外コンセントの話や、意外と長い“盗電”の歴史にも、そっと触れていきます。

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◆掘り出し物の戸建てと、穏やかな隣人たち

スーパーなどで捕まった万引き犯が「つい軽い気持ちでやりました」などと言い訳をする場面を報道などで目にすることがありますが、窃盗行為はれっきとした犯罪であるのは言うまでもありません。

今回は、隣人から”電力”を窃盗された信じられないエピソードです。一体どのような状況だったのでしょうか。

「新築が理想だったんですけどね。駅にも近いし、築10年ならいいかなと思って」

そう話すのは、東京都下のある郊外に中古戸建てを購入した森本さん(仮名・42歳)です。購入はちょうど1年前。利便性と予算のバランスで選んだその物件は、駅から徒歩10分圏内、日当たりも悪くない掘り出し物の一軒家でした。

裏手には、細い旗竿地に暮らす老夫婦が住んでいました。昔からその地に住んでいるというだけあって、年季の入った趣のある外構に加え、庭には菜園や小さな池まであります。

そんな老夫婦はとてもフレンドリーで、引っ越し間もない頃から野菜をもらったり、近所のお店情報などを教えてもらったりと、良好な関係を築いていたといいます。

「ほんとうに引っ越してきて良かったと思っていました。あのことが発覚するまでは……」

◆雑草刈りで見つけた“違和感”

発覚のきっかけは、ある休日の草刈りでした。

「入居以来、仕事も忙しくて、裏側の通路の雑草が伸び放題になってたんです。やっと時間ができたので、気合を入れて一気にやろうと」

通路の両端は隣家との境界でもあり、うっそうと茂った雑草は膝丈以上に伸びていたといいます。1日では終わらず、翌日も作業を続けた森本さん。ところが、2日目の作業中、ある“違和感”に気づきました。

「外壁のコンセントに、見慣れないケーブルが刺さっていたんです。しかも、そのコードが地面に潜ってるんです。不自然ですよね」

ケーブルを辿ると、それはフェンスの下をくぐり、裏の家の池の岩場のあたりへ。さらに奥へと続いたその先には、池の浄水機や照明があったといいます。

「どう見ても、うちの電源を引いて使っていました。入居時には気づかなかったけど、たぶん僕が住み始めた時点で、すでに通電されてたと思います」

森本さんはスマホで証拠写真を撮りました。接続状況、コードの取り回し、そして池の装置まで、余すところなく記録しました。

◆「それ、窃盗罪ですよ」証拠を突きつけた日

「悩んだんです。直接言うべきか、警察に通報すべきか」

考えた末、森本さんは直接、裏の老夫婦のもとを訪ねることにしました。証拠写真を見せると、老人はすぐに青ざめ、深々と頭を下げたそうです。