森友学園への国有地値引きを巡り、財務省理財局長として公文書改ざんを主導した佐川宣寿氏。2017年に国税庁長官となるも、近畿財務局の赤木俊夫さんが遺書で改ざんを告発し命を絶つと、一度も会見をせずに辞任していた。ジャーナリスト・相澤冬樹氏の取材で、表舞台から姿を消していた佐川氏が、老舗の名門企業に“天下り”していることがわかった。

【画像】亡くなった赤木俊夫さん


答弁拒否を繰り返した佐川氏 ©時事通信

役員欄に名前が…

 その企業とは、カセットコンロとガスボンベで知られる岩谷産業(本社・大阪市)の100%子会社、岩谷瓦斯(ガス)だ。岩谷産業はLPガスと水素のトップ企業で、連結売上高は9000億円超、グループ会社は200社を超える上場企業だ。

 岩谷瓦斯のウェブサイトを見ると、役員欄にこの名がある。

社外取締役(非常勤) 佐川 宣寿〉

 岩谷産業の代表取締役会長、牧野明次氏は関西経済連合会の副会長を務め、政界とも関係が深い。2015年、東京都心で初の水素ステーションを開設した際は、当時の安倍晋三首相が挨拶をしたことでも知られる。

「企業価値向上に貢献いただけるものと考え、選任した」

 佐川氏が社外取締役になった経緯を問い合わせると、親会社の岩谷産業から返答があった。今年6月12日付で就任したばかりだという。そして、理由については「同氏の経験・専門性、独立性等を確認したうえで、企業価値向上に貢献いただけるものと考え、選任したものです」と回答したのだった。

 だが実は、佐川氏が今年、天下りした企業は他にもあった――。

 7月1日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および7月2日(木)発売の「週刊文春」では、佐川氏の報酬やガバナンスの問題についての岩谷産業の回答、佐川氏が取締役に就任したもう一つの名門企業の実名、バイオ企業に財務省OBの紹介で顧問になったことなどを、詳しく報じている。

(相澤 冬樹,「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年6月26日号)