【通貨別まとめと見通し】南アランド円:9.70円大台の岩盤支持線を死守し猛烈なV字回復、200円大台超えの他クロス円に追随し9.85円台を奪還

先週から今週(6月22日~6月29日)のまとめ
前々週に一時9.92円付近まで上値を伸ばしたものの、FOMC通過を機に過熱したポジションの巻き戻し(円の買い戻し)が急加速した南アランド円。22日からの週は、前週の激しい下落トレンドを引き継ぐ形でスタートし、「9.70円の最重要岩盤支持線」を死守できるかどうかの極めて緊迫した防衛戦を強いられることとなった。

週前半には度重なる下値テストが行われ、22日に一時9.7761円、さらに24日の欧州・NY時間(21:00台)には一時9.6985円まで深く押し込まれる危うい局面を迎えた。しかし、この9.70円割れの水準では、南アフリカ準備銀行(中銀)のタカ派的な高金利維持観測や、新政権発足に伴う構造改革期待を背景とした実需の押し目買いが強烈に流入。週末にかけてショート勢の踏み上げを巻き込みながら一気に値を戻すと、週明け29日(月)には9.8512円まで急伸。さらに足元30日(火)には一時9.8755円まで上値を拡張するなど、劇的なV字回復によって再び強気トレンドへの回帰を明確にしている。

詳細な値動きの振り返り
■ 週明けの乱高下と下値探りの継続(6月22日)
週明け22日(月)の東京時間早朝、一時9.7761円まで売り込まれ、前週末からの調整圧力を引き継ぐ緊迫したスタートとなった。その後、欧州・NY時間にかけて一時9.8660円まで買い戻されるなど激しく乱高下。引けにかけては9.8465円まで押し戻されたものの、下値での買い需要の強さを市場に印象付けた。

■ 戻り売りの再燃と9.70円大台の「大底」テスト(6月23日~24日)
23日(火)から24日(水)にかけては、一転して戻り売りの重さが意識される展開へ。23日終値で9.7828円まで水準を切り下げると、24日(水)の欧州時間(21:00台)には一時9.6985円まで急押し。9.70円の心理的大台を一時的に割り込む極限の防衛戦となったが、突っ込み警戒感からここが絶好の買い場となり、NY時間にかけては9.73円台へ急速に買い戻されて事実上の「大底」を形成した。

■ 底堅さの証明とV字回復から9.85円台攻防の足元(6月25日~30日現在)
この大底テストを耐え抜くと、25日(木)以降は確実に下値を切り上げる歩調へ。25日深夜に9.81円台へ乗せると、26日(金)には一時9.8409円まで反発し、週末を9.8274円でクローズ。週明け29日(月)は東京時間の9.8040円を安値に終日じり高となり、NY時間には200円大台に乗せたスイス円などの勢いにも牽引されて9.8512円まで急伸した。本日30日(火)に入ると、東京時間(3:00台)に一時9.8755円まで上値を拡張。午前11:00現在、9.8491円近辺で揉み合いながら、さらなる上値追いへの足固めを進めている。

ファンダメンタルズ分析
南アフリカ側(高金利据え置き期待と新政権への楽観スタンス):
FOMC通過による市場全体の過度なポジション調整(ランド売り・円買い)の圧力は、9.70円割れへの突っ込みを機に完全に一巡した。SARB(南ア準備銀行)によるインフレ警戒と高金利維持スタンスが根底にある中、政治的安定(連立政権の合意)に伴う先行き楽観論が地合いを支え、ススワップ実需を背景とした買い直しを大きく牽引する形となった。

日本側(介入警戒の目先後退と円売り地合いの継続):
高値圏(9.92円台)から9.70円近辺まで十分な値幅調整をこなしたことで、本邦当局による実質的な為替介入へのリアルな恐怖心が目先で大きく後退した。これがショート勢の手仕舞いや、圧倒的な実質金利差を背景とした「絶好の押し目買い」を呼び込む呼び水となった。構造的な円売り地合いに変化がないため、調整ポイントでは非常に旺盛な実需の買い支えが確認されている。