「カマモトさん以来やろ」 上田ヘッド弾、久保竜彦の衝撃…日本が40年待った“ホンモノのエース”の誕生
日本―チュニジア戦ドラゴン解説第1回
サッカー北中米ワールドカップ(W杯)は20日(日本時間21日)、1次リーグF組で日本がチュニジアと対戦。4-0と快勝し、決勝トーナメント進出に前進した。この試合に合わせ、2022年カタール大会に続き「THE ANSWER」で解説を務める元日本代表FW久保竜彦が編集部に来訪。試合を分析した。全3回の第1回は2得点で世界を驚かせたFW上田綺世について。特に2点目の後半39分、ヘディング弾をスキル面から絶賛。かつて自身も務めた日本のセンターFWの逸材に「日本のエースやろ。カマモトさん以来よ」と認定し、賛辞を贈った。(取材・構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)
◇ ◇ ◇
上田よかったよ。あの2点目。でも(試合後の中継局インタビューは)シュートばっかり聞くやん。(1点目の)足の。
あのヘディングのすごさ、わからんのやろか。
まず、3、4歩バックステップやけんね。もう、その時点で難しい。めっちゃ難しい、シュートするのがね。落としたりはできるけど。多分あのコースしかなかったし、(軌道も)ふわーんっていうのしかなかったし。それを完璧にやった感じよね、何も狂わず。
で、体が伸び切っとったから。体がむちゃくちゃ強いと思うし、体の使い方が上手かったもん。(首を)振ると、絶対、入らんから。ボールに(上手く)当たらんから。(ボールを)送り出す感じよね、首は振らずに。
(広島で同僚だった)ハシェックがむっちゃ上手かった。ふわーんってやるの。センタリングシュートとかはよくしとったけど、ああいうのもむっちゃ上手かった。上田も外国人の取り方やね。
俺も(同じようなヘディングを)練習で真似したけど、むっちゃ難しい、本当に。バックステップ踏みながらがやっぱ一番難しい、何でも。シュートするのにも、足に当てるのにも。
日本人でヘディング上手かった選手で言うと、高木(琢也)さんは上手かったね。ゴン(中山雅史)さんは勢いって感じやったけど。技術とかよりもう勢いで。ああいう上手さがあるのは高木さんやし、上田もそうよね。
1点目もすごかったよ。振りはすごいよね。パンチあるっていうのは、昔からわかっとったけど、タメの作り方が上手かった。ボール受けてから、ふわっと動きながら「あれ? パス出さん?」みたいな感じで。
インタビュー聞いたら(シュートと)決めとったんやね、パスは選択肢なかったって。敵2枚おったけど、どうポジション取るかを見とったんよね。で、股行ける(抜ける)な、みたいな。誘いながらドリブルしとった、すごいよ。
感じる将来性「レアルとかバルサ行けるんじゃないの。まだ27歳やし」
完全に上田がエースやろ。(ファンの間で「久保竜彦以来の代表センターFW」という声もあると聞かされ)いや、俺はW杯出てないけんね。
そんなこと言ったら、もう釜本(邦茂)さん(1960〜70年代に代表で活躍)以来じゃないの。なんか、安心できるじゃないけど、ボールを預けれる存在で言うと。俺は日本で一番のFWと言ったら、釜本さんって思っとったけどね。
上田のすごさ? 強い、強いよ。シュート力も。ヘディングあんな上手いとは思わんかったけど。そんなんもできるんやって思ったよ。
ワントップで出るのも、体がむっちゃ強くないといけんしね。やっぱ収めれんしね。それで4年前は収まらんくて、悔しいって言って、それで収まるようになるんや、4年でね。やっぱ、すげえよね。
あ、もう、レベルが上がってるんやって思った。今日の試合見て。
スウェーデン戦はもっとボールが来ると思う。それで、そういうの(自分らしいプレー)を出し続ければ、チームは絶対上の方に行けるよね。レベルがもう1個上がるんじゃないんかね。
本人もレアルとかバルサ行けるんじゃないの。まだ27歳やし。
でも、上田が良かったのは別のやつのおかげでもあると思うんよ。最終ラインの3人よね。
■久保 竜彦 / Tatsuhiko Kubo
1976年6月18日生まれ。福岡・筑前町。筑陽学園高を経て、1995年に広島加入。日本代表・森保一監督(当時選手)とは7年プレーした。2003年に横浜F・マリノスに移籍し、リーグ連覇に貢献。1998年に日本代表デビュー。ジーコジャパンとなった2003年以降は日本人離れした身体能力と強烈な左足でエースとして活躍したが、腰や膝など度重なる怪我により、2006年のW杯ドイツ大会は落選。以降、横浜FC、広島などを渡り歩き、2014年に引退。J1はリーグ戦通算276試合94得点。日本代表は国際Aマッチ通算32試合11得点。引退後は山口・光市に移り住み、コーヒー焙煎や塩作りなど、異色のセカンドキャリアを歩む。2024年2月、初孫が誕生。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)
