トランプ大統領が親密な同盟国であるイスラエルのネタニヤフ首相を罵倒した。「お前は狂っている」「一体、何をしやがっているんだ」「俺がいなければ、お前は刑務所に入っているんだ」。

【映像】トランプ氏、止まらない「罵倒」の嵐

 トランプ氏は焦っている。国際政治学者の舛添要一氏は、「トランプ自身も早く(イランとの戦闘を)やめたい。秋の中間選挙の半年前で、もうやめておかないと選挙に負ける。共和党が中間選挙で負けるとレームダックになってしまい仕事ができない。だからそろそろやめたい」と指摘する。

 表向きは強気な発言を繰り返しても、内心では、一刻も早くイランとの戦闘を終わらせ、中間選挙への功績を作りたい。それがトランプ氏の本音と舛添氏はみる。しかし停戦協議の真っ最中に、イスラエルがレバノンの親イラン組織「ヒズボラ」への攻撃を拡大。イランは協議を停止すると反発した。

 トランプ氏からすれば、「なんてことをしてくれたんだ」と怒りが爆発。そして、冒頭の罵倒だけでなく「皆がお前を憎んでいる」などと発言。さらに、収賄・詐欺・背任の罪で起訴されているネタニヤフ首相に、「俺がいなければ、お前は刑務所に入っているんだ」とも言い放ったという。

 会談後、トランプ氏は「生産的な会談だった」と、あくまで平静を装ったが、アメリカメディアは「第2次政権で最悪の会談」と報じている。

 インサイダ編集長の中丸徹氏は「追い詰められたトランプ氏の魂の叫び。『イスラエル、いい加減にしろ』と。でもやはりユダヤロビーに屈して、発言の修正に追い込まれてしまった」と分析する。

 既存の常識を「壊すこと」がトランプ氏の政治手法。それが「アメリカファースト」の正体なのか。

 俳優リチャード・ギア氏は「このような偏執狂が大統領になるなんて、一体誰が想像しただろうか。アメリカの良いところをほぼ全て破壊した」と批判。世界はいつまでこの“破壊ファースト”に付き合わねばならないのだろうか。

 舛添氏が、トランプ氏の罵倒の意図を考察する。「アメリカの支援がなければ、イスラエルは戦えない。だから『俺がいないと、お前はダメだ』と言う。今(アメリカは)イランと一生懸命、停戦協議をしているが、レバノンのヒズボラをネタニヤフ氏が攻撃しているので、イラン側は『レバノンも停戦しないと、うちは停戦に乗らない』と言っている」。

 そして、「ネタニヤフ氏は停戦せず、最後まで戦いたい。その口実として、ヒズボラをたたくため、(トランプ氏は)『お前がそれやったら、俺、停戦できないじゃないか』と圧力をかけて、いったんやんだ。レバノン内部までの攻撃は止めたが、国境地帯ではまだやっている。そう簡単に言うことを聞かない」といった関係性を解説する。

「トランプ氏が言う通り、いっぱい訴訟を起こされていて、首相の座を降りれば訴訟になる。だから絶対、ネタニヤフ氏は首相を辞めたくない。戦争を続けていれば、首相であれば訴訟が止まるため、続けざるを得ない」

(『ABEMA的ニュースショー』より)