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2020年6月の「妨害運転罪」創設から5年。警察庁が発表した最新の統計資料によれば、あおり運転に直結する「追越し・通行区分違反」などの摘発件数は年間14万件を超えて推移しており、依然として道路上の脅威は根絶されていません。
これほど厳罰化が周知され、ドライブレコーダーが普及した今なお、なぜ無謀なドライバーは絶えないのでしょうか。今回は、過去に大きな反響を呼んだ2つのエピソードを、最新の法規に照らして再構成しました。身勝手な振る舞いが招いた「手痛い代償」の記録です。

◆ー磴そ性を乗せた中年男がニヤニヤしながら迫ってくる…

 北海道在住の荒井太一さん(仮名・30代)は、よく家族旅行で道内を長距離運転するという。あるとき、「あおり運転」に遭遇した。

 白いスポーツカーがものすごい勢いで迫ってくるのがバックミラー越しに見えたそうだ。

「すぐに追い越して行くだろうと思っていたら、真後ろで急にスピードを落として、あおり運転を始めたんです。テレビでよく見る蛇行運転に、後部座席に乗っていた子どもたちも怖がっていました。運転手はフォーマルな格好をした中年男性。

 妻が『ニヤニヤしながらこっちを見ている』というので目をやると、まるで挑発を楽しんでいるような雰囲気でした」

 荒井さんはすぐに車を左側に寄せてスピードを落とした。ハザードを出して追い越すように合図をしたのだ。しかし、男は不気味な笑顔でついてきたという。さすがに恐怖を抱いた荒井さんは「停車するから、相手が降りてきた時のためにスマホで動画撮っておいて」と妻にお願いした。

◆大型トラックが登場し、まさかの大逆転!

 荒井さんがドアのロックを確認してから停車すると、運転手は停車せずに追い越していったそうだ。

「私たちは『車から降りてきて怒鳴ったり、車を蹴ってきたりしたらどうしよう……』と、さまざまなケースを想像しました。助手席には若い女性の姿が見えましたね。本当になんだったんですかね」

 ようやく恐怖から解放され、再び発進しようとした荒井さんだったが、その後、予想外の“逆転劇”が起こった……。

「後ろから大型トラックが猛スピードで走って来るのが見えたため、通りすぎるのを待ちました。すると、先ほどあおり運転をしてきたスポーツカーの後ろにトラックがピッタリとくっつき、けたたましいクラクションを鳴らしていたんです」

 なんと、荒井さん家族をあおっていた運転手が、今度はトラックにあおられたのだ。そして次の瞬間……。

「運転手はトラックの威嚇が怖くなったのか路肩で徐行して、それをトラックはすごい勢いで追い越していきました。目の前の運転手があおられるのを見て、本当にスカッとしました」

 もしかすると大型トラックの運転手は、荒井さんの車があおられるのを見ていて、その“仕返し”でこうした行動を取ったのかもしれないと振り返った。

◆狭い山道であおり運転に遭遇!

 地方で介護の仕事をしている麻生良夫さん(仮名・30代)。休日は山奥の温泉に行ったり、ドライブをしたりする日々を送っていた。

 そんなある日、山道を車で走っていると、その近辺ではあまり見かけない真っ赤なスポーツカーが現れたという。

「かなりの速度で走っていて、私の車を追い抜こうとしていました。しかし、対向車が来ると避けられない狭い山道だったため、なかなか抜かすことができなかったんです。すると、運転手はイライラしたのか、後ろで何度もパッシングをしてきたんです」

 ニュースではよく目にしていたが、実際に自分があおり運転に遭遇するとは思わなかったと語る麻生さん。

 スポーツカーは、再び速度を上げて追い抜こうとするが、対向車が来て慌てて急ブレーキを繰り返す。それが5分〜10分程度続いたあと、しびれを切らした運転手が……。