【写真クイズ】この食材の名前は? 春の妖精です
旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■竜田揚げに
正解:カタクリ
難易度:★★★★☆
花を咲かせるまでに7〜8年もかかります
カタクリは、早春の山林でうつむき加減に可憐な紫の花を咲かせるユリ科の多年草です。
その姿から「春の妖精(スプリング・エフェメラル)」とも称されることもあります。雪解けとともに地上に顔を出し、わずか数週間ほどで地上部を枯らして長い休眠に入るというライフサイクルを持っています。

もともと「片栗粉」は、文字どおりこのカタクリの鱗茎(球根)から抽出されたデンプンでした。しかし、ひとつの球根からとれるデンプンの量はごくわずかであり、現在市場に出回っている片栗粉のほとんどはジャガイモを原料としています。

生薬としての歴史も古く、乾燥させた鱗茎は「片栗」と呼ばれます。滋養強壮や胃腸の調子を整える効果があるとされ、昔は火傷の湿布剤や下痢止めとして家庭の常備薬のような役割も担っていました。
旬の時期は地域によって差がありますが、おおよそ3月から5月にかけてです。
食用とされるのは主に葉と花で、この短い期間にしか味わえない貴重な山菜となります。

栽培ものについては、カタクリは種から花を咲かせるまでに7〜8年という膨大な年月を要するため、大規模な商業栽培は難しく、市場に出回るものの多くは小規模栽培によるものです。そのため、産直市や専門店で見かける程度となっています。
その繊細な風味を損なわないよう、さっと茹でておひたしや和え物にするのがおすすめです。ほんのりと上品な甘みがあり、ぬめりを帯びた独特の食感は、春の息吹を感じさせてくれます。
注意点は、山でのカタクリ採取は、法律や自然保護の観点から厳しく制限されているということです。国立公園などでの採取は法律で禁じられており、私有地でも無断で行えば罪に問われるおそれがあります。
また、開花まで7〜8年を要し、葉を摘むだけで光合成ができず個体が死滅してしまうため、多くの自治体が保護対象としています。味わいたいときは適切に管理・出荷された栽培品を産直市などで購入するようにしましょう。

美味しいカタクリの見分け方
まず葉の開き具合に注目してください。もっとも美味しいのは、葉が完全に開ききる前の、まだ丸みを帯びて瑞々しさが凝縮されている状態のものです。葉が大きく広がり、表面の鹿の子模様が鮮明になりすぎたものは、成長が進んで繊維が硬くなっていることが多いため、避けたほうが無難です。
色味については、葉の緑色が濃く、茎の部分に赤紫色の力強い色ツヤがあるものが良質です。全体にハリがあり、手に取ったときにしなやかな弾力を感じるものを選びましょう。
切り口が茶色く変色していたり、葉の先が茶色く枯れ始めているものは、鮮度が落ちて独特のぬめりや甘みが損なわれている可能性があります。
また、花を食用にする場合は、蕾の状態か、開き始めたばかりのものを選んでください。満開を過ぎて花びらの先が萎れかけているものは、苦味が出て食感も悪くなってしまいます。

【今月の旬食材は?】いま1年で最も旨い食材
カタクリの注目栄養素
注目すべきは、良質なデンプンです。このデンプンは非常に粒子が細かく、胃腸に負担をかけにくいエネルギー源として、古くから病中病後の滋養強壮に役立てられてきました。
また、春の野草特有のポリフェノールが含まれており、冬の間に溜まった酸化ストレスを和らげる抗酸化作用が期待できます。
さらに、独特のぬめり成分には、胃の粘膜を保護し、整腸を助ける働きがあります。生薬として胃腸薬の代わりとして重宝されたのも、この優れた特性によるものです。

【今月の旬食材は?】いま1年で最も旨い食材
↑上記にそのほかの「旬食材」をまとめていますので、ぜひご覧ください。
