(※写真はイメージです/PIXTA)

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40歳の会社員・里見さん(仮名)は2025年、お米の価格が高騰したことにより、「今年のふるさと納税はお米にしよう」と考えました。せっかくなら複数の銘柄を楽しみたいと、6つの自治体に合計7万円を寄附。年末にはワンストップ特例の申請も済ませました。ところが翌年、確定申告を特集したマネー雑誌を読み、ある事実に気づきました。場合によっては“控除ゼロ”となり、全額自己負担になってしまう可能性も……。今からできる対処法をFPが解説します。

なぜ“控除ゼロ”に?「ワンストップ特例制度」の盲点

ふるさと納税の「ワンストップ特例制度」は、確定申告をしなくても税金の控除が受けられる仕組みです。しかし、利用するには条件があります。

■ワンストップ特例が利用できる条件

・確定申告をする必要がない給与所得者等であること

・1年間の寄附先が5自治体以内であること

・各自治体に申請書を提出していること

見落としがちなのが、1年間(1月1日〜12月31日)に寄附した自治体が「5自治体以内」という条件です。

今回の里見さんのケースでは、「せっかくならいろいろなお米の銘柄を楽しみたい」と考え、6つの自治体に寄附してしまったことで、この条件から外れてしまいました。6つ目の自治体にワンストップ特例の申請書を提出しても指摘されないため、「受理してもらえた」と思い込んで安心してしまいがちです。

さらに怖いのが、「6つ目の自治体だけが無効になる」のではなく、それまでに申請を済ませた5自治体分すべての控除が無効になってしまう点です。つまり、里見さんは7万円を寄附していたため、本来であれば、自己負担2,000円を差し引いた、約6万8,000円の控除が受けられるところ、7万円が「純粋な寄附」として扱われてしまうことになります。

ワンストップ特例が無効でも「確定申告」で控除は受けられる

6自治体以上に寄附をしてワンストップ特例が無効になった場合は、確定申告を行えば問題ありません。確定申告でふるさと納税の寄附金控除を受けるには、以下の書類が必要です。

■確定申告に必要な書類

・寄附金受領証明書

・源泉徴収票

・マイナンバーカードまたは通知カード

・還付金を受け取る銀行口座情報

確定申告は、「e-Tax(オンライン申告)」「税務署への郵送」「税務署の窓口で提出」のいずれかの方法で行えます。

なお、すでにワンストップ特例の申請書を提出している場合は、確定申告を行えばその内容が優先されます。ワンストップ特例の申請を取り下げる手続きは不要なので、ご安心ください。

意外と多い「確定申告の勘違い」ケースとは?

「ふるさと納税は5自治体以内だし、ワンストップ特例を申請したから大丈夫」と思っていても、別の理由で確定申告を行うと、ワンストップ特例は自動的に無効になります。

たとえば、医療費控除を受けるために確定申告をした場合、ワンストップ特例の申請書を提出していても、適用されません。確定申告書に、ふるさと納税の寄附金控除をあらためて記載する必要があります。

また、住宅ローン控除(初年度)を受けるために確定申告を行った場合なども、申請したワンストップ特例は無効になります。

ふるさと納税のワンストップ特例の申請は、原則として確定申告を行う必要がない会社員などの給与所得者向けの制度です。そのため、寄附金以外の控除を受ける予定がある場合は、ふるさと納税の寄附先の自治体数にかかわらず、確定申告を行うことを前提に準備しておくことをおすすめします。

確定申告シーズン到来…あらためて申請内容の確認を!

2025年(令和7年)分の確定申告の期間は、2026年2月16日(月)〜3月16日(月)です。

今回の確定申告期間に手続きを逃しても、寄附をした翌年の1月1日から5年間は、還付申告を行うことができます。

ただし、2025年にふるさと納税で寄附をした場合は、確定申告の期間中に、寄附先の自治体数が5つ以内に収まっていたかをあらためて確認しておきましょう。そのうえで、ワンストップ特例の申請が受理されているかを確認しておくと安心です。

もし申請できていない自治体があった場合は、確定申告ですべての自治体の寄附金控除を行う必要があります。また、2026年1月10日のワンストップ特例制度の申請期限を過ぎていた場合も、確定申告を行うことで同様に控除を受けられます。

“控除ゼロ”となり、せっかくのふるさと納税が全額自己負担にならないように、今一度確認してみてはいかがでしょうか。

ファイナンシャルプランナー

近藤 章仁

〈出典〉

総務省:ふるさと納税ポータルサイト