悪夢の北京は「忘れてはいけない」 高梨沙羅が告白した涙の銅メダルの舞台裏「幸せだなと思いながら競技ができた」【冬季五輪】

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今大会は笑顔で終わることが出来た高梨。彼女にとってこの4年はどのような意味があったのか(C)Getty Images

 自然と涙がこみ上げるメダル獲得。その舞台裏での想いを本人が語った。

 ミラノ・コルティナ五輪のジャンプ混合団体で銅メダルを獲得した高梨沙羅(クラレ)が2月16日、『日本テレビ』系列の五輪特番に生出演。激動の4年間に想いを馳せつつ、表彰台に立った今大会を改めて振り返った。

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 決して楽な大会ではなかった。メダル獲得が期待されて挑んだ22年の北京五輪では混合団体でスーツの規定違反によってまさかの失格。大会後には自身のSNSで「私の失格のせいで皆んなの人生を変えてしまったことは変わりようのない事実です」と発信した高梨は、現役引退も考えた。

 それでも29歳は辞めなかった。周囲の仲間とファンの後押し受けて現役続行を決めた高梨は今五輪で躍動。奇しくも4年前に辛酸をなめた団体戦で念願の銅メダルを掴んだ。

 北京大会に想いを馳せ、「4年前のことは払しょくすることはできないし忘れてはいけない」と語る高梨は、「今回で団体を克服できたところで前進はできたのかな」と吐露。そして、銅メダルという目に見える結果を出せたことを素直に喜んだ。

 そして、「私が辞めて償えたら」と引退を覚悟していたという4年前を回想した高梨は、悪夢を見た前回大会の団体戦で、チームメイトだった伊藤有希への感謝を口にしている。

「ずっと我慢はしていたけど、有希さんに抱きしめてもらった瞬間から涙が止まらなくて。こんなに感情が動かされることはなかった。心から瞬間が楽しくて、幸せだなと思いながら競技ができた。すごく記憶に残る瞬間でした」

 伊藤とは10代の頃から互いに研鑽を積んできた。そんな旧知のライバルの支えによって「幸せだなと思いながらできた」という高梨は“恩人”への溢れ出る思いも口にしている。

「本当に有希さんがいなかったら、私はこの場所に戻ってくることはできなかったと思う。メダルを獲って有希さんの姿を見た時から自然と身体が向いてました。駆け寄って抱きしめてもらった時から、我慢していた気持ちがあふれてしまった感じでした」

 混合ジャンプ団体でメダルを獲得した後、伊藤と抱擁し、涙を流した。そんな列島を感激させたシーンの裏には、高梨の熱き思いがあった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]