学歴詐称疑惑の田久保前伊東市長の自宅を家宅捜索 公職選挙法違反や有印私文書偽造などで告発 警察が強制捜査へ(静岡・伊東市)
学歴詐称疑惑が発端で複数の刑事告発を受けていた伊東市の田久保真紀前市長に対し、警察は14日、ついに自宅への強制捜査に踏み切りました。「押収拒絶権」を盾に証拠提出を拒む異例の展開の中、泥沼化する学歴疑惑は重大な局面を迎えています。
14日朝、Daiichi-TVのカメラがとらえたのは。
(記者リポート)
「午前7時半です。田久保氏の姿が見えました。これから田久保氏の自宅で警察の家宅捜索が行われます。」
捜査員らに囲まれながらも平然とした様子で対応する田久保前市長。捜索は自宅の中だけでなく、市長だった時に通勤で使っていた車の前にはブルーシートが張られ、中を捜索する様子も。
今回、警察が家宅捜索に入った訳は、“卒業証書”とされる文書を議長・副議長に“チラ見せ”したことについて有印私文書偽造・同行使の疑いや、
(田久保真紀 前伊東市長)
「私はこうやって提示して約19.2秒ほど見ていただいたと記憶しています。」
百条委員会への出頭拒否や、“卒業証書”をチラ見せではなく19.2秒見せたという虚偽の証言などについての、地方自治法違反の疑い。
自身が市長となった選挙の際に「東洋大学卒業」と報道機関に虚偽の経歴を伝え公にした、公職選挙法違反の疑いなど、田久保前市長は複数の容疑で刑事告発を受けていて、それらの容疑について警察は12月から任意の聴取を続けていました。
(田久保真紀 前伊東市長)
「(Q.“卒業証書”の提出を求められたりは?)ちょっと私の方はコメントができませんので。すみませんコメントだせなくて申し訳ないんですが。いちおう要請の方には応じてきました。」
その聴取の中で田久保前市長は、すべての容疑について、「犯罪の成立を否認する」と主張。さらに、疑惑の“卒業証書”の提出を警察が求めていましたが、先週行われた2度目の聴取の際に要請を拒否する回答書を提出していたのです。またその際、“押収拒絶権”の正当性を訴える用紙もあわせて出したということです。
これは“押収拒絶権”に関して、理由を説明するため、田久保前市長の代理人弁護士がマスコミ用に用意した資料です。弁護士は業務上委託を受け、保管・所持する“他人の秘密”に 関するものについて、押収を拒絶する権利があると記載した上で、
(代理人弁護士の資料より)
「本件の「卒業証書」は、公職選挙法違反等で刑事告発されるよりも前の令和7年6月28日に、依頼者(田久保前市長)から預かったものであり、守るべき秘密に当然該当します。」
「秘密に当たらないことが外形上明白な場合でなければ、捜査機関においてもその秘密性を否定することはできない。」
こうした状況の中14日、“強制捜査”に踏み切った警察。家宅捜索は捜査員約15人態勢でブルーシートをかけながら自宅に入ったほか、車の中も調べ、約7時間にわたり行われました。そして、
(記者リポート)
「午後2時半過ぎです。田久保前市長の自宅から捜査員が段ボールを持って現れました。」
カメラで確認できただけでも、段ボール5箱分に詰まった関係書類などを押収していました。
疑惑の卒業証書について代理人弁護士は、
(田久保前市長の代理人 福島正洋 弁護士)
「(“卒業証書”は)まだ事務所に保管してありますので、今後の捜査が進展していくなかで、頑として最後までださないかというと、そこもまだ検討中ではあります。」
今回、自宅を家宅捜索した警察の狙いについて元東京地検特捜部の若狭弁護士はこう話します。
(元東京地検特捜部 副部長 若狭勝 弁護士)
「嘘の可能性のある証拠物を警察が抑えないと、なかなか重要証拠物がないということで捜査が進まない。“卒業証書”は、弁護士の事務所に保管されているということは確かなのかもしれませんが、その弁護士に預けるに際して、コピー、写しなどを取って、自宅に置いといたという可能性もありうると。それを抑えるという意味合いっていうのはある。」
今後、弁護士事務所への捜索はありうるのでしょうか。
(元東京地検特捜部 副部長 若狭勝 弁護士)
「静岡県警はおそらく警察庁あるいは法務省、検察庁ともかなりすり合わせをした上で、理論武装をする。それができれば、事務所に捜索に入るという可能性は高まっていくと思います。ただ、少なくともこの刑事訴訟法の105条の押収拒絶権の関係は、必ずしもこれまでの事例がそれほど多くないということで、解釈が固まってる訳ではないので、静岡県警の方も慎重に一応ことを進めるということだと思います。」
疑惑の真相は…。警察は田久保前市長の親族などにも参考人としての聴取を行っていて、捜査関係者によりますと、母親は大学卒業の認識について「卒業の時期になっても案内が来なかった。卒業していないと思っていた」という趣旨の話をしていたことがわかっています。
これに対し、代理人弁護士の主張は…
(田久保前市長の代理人 福島正洋 弁護士)
「多分、その聴取のやり方自体が、お母さんは何を聞かれてどんな意味があるかわからずに、雑談していく中で色々喋ったことを、じゃあ警察の方がこれ作文しますねと言って勝手に作ったと。で訳もわからず、とりあえずサインしたということのようです。そもそもお母さんがそういう供述をしていない、と怒っていますので、そういう調書があるとすれば、それは嘘の書いた調書ってことになります。」
16日改めて田久保前市長に取材を試みましたが、応じることはありませんでした。
警察の強制捜査にまで発展した田久保前市長の学歴詐称疑惑。どのような結論となるのでしょうか。
