5周年を迎える今も根強い人気! 『仮面ライダーリバイス』で火花を散らす「正義と悪の組織」の面白さ

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『仮面ライダーリバイス』のユニークな「組織」

令和ライダーシリーズの人気作『仮面ライダーリバイス』(2021年放送)が、今年2026年9月5日で5周年を迎えます。

放送中から斬新なキャラクター、次々に展開する謎やどんでん返し、鮮烈なアクションなどで話題を呼んだ『仮面ライダーリバイス』は、5周年を迎える今も根強い人気を誇り、メイン脚本家である木下半太先生によって『小説 仮面ライダーリバイス ONE POSSIBILITY』という書き下ろし作品も刊行されるほど(2026年2月2日刊)。

木下先生の筆によってどんな小説となっているのかが楽しみですが、その前にここでは『仮面ライダーリバイス』におけるユニークな「組織」のあり方に組織論からスポットを当ててみましょう。

組織論にはいくつかの視点がありますが、ここでは「構造の視点」と「リーダーシップの視点」から、『仮面ライダーリバイス』に登場する組織を分析していきたいと思います。

「構造の視点」とは意思決定の仕組みによって分類されるもので、意思決定が階層的な「ヒエラルキー組織」、階層が少ない「フラット組織」、複数の上司や部門にまたがった意思決定が行われる「マトリクス組織」などがあります。

「リーダーシップの視点」とは意思決定におけるリーダーの役割によって分類されるもので、リーダーが組織全体を率いる「専制型リーダーシップ」、メンバーの合意を重視する「民主型リーダーシップ」、リーダーがメンバーを「支援する立場」に立つ「サーバント型リーダーシップ」などがあります。

組織に翻弄される幸せな家族のサバイバル!

主人公である五十嵐一輝は、銭湯「しあわせ湯」を営む五十嵐家の長男でしたが、アクシデントから仮面ライダーリバイに変身して以降、仮面ライダーとして、ギフ復活をもくろむ悪魔崇拝組織デッドマンズと戦う運命に巻き込まれます。

そもそも仮面ライダーリバイに変身できるリバイスドライバーは、デッドマンズに対抗するため、政府直属の特務機関・フェニックスによって開発されたものでした。変身者としては一輝の弟で、五十嵐家の次男にあたる大二が選ばれていたのですが、自らのフェニックス分隊長任命式がデッドマンズに襲われたとき、変身のチャンスだったにもかかわらず臆してしまい、代わりに変身したのが一輝だったのです。

さらに後に触れるように、一輝、大二の父にあたる元太も、ある組織によって人生を大きく捻じ曲げられていたのです。

デッドマンズと戦うフェニックスには隠された目的が!?

このフェニックスという組織は、デッドマンによる犯罪や、その裏で暗躍するデッドマンズと戦うために創設された政府の組織でした。

科学者のジョージ・狩崎によってドライバーやバイスタンプなどのアイテムが次々と開発されたり、空中に指令母艦フェニックス・スカイベースを保有したりしているなど、現代科学を逸脱する超科学力を保有しているように思えましたが、実は大きな秘密を持つ組織でした。

その秘密とは、フェニックスの発案者であり長官であった赤石英雄に関するものなのですが、それが後にフェニックスの壊滅という事態につながっていったのです。

フェニックスの前身・ノアがすべての根源!?

そのフェニックスの前身となった組織が、ギフの力に基づいた悪魔の軍事利用を目的として設立された政府の科学研究組織ノアで、バイスタンプなど後に仮面ライダーリバイを生み出すこととなった研究も、ジョージ・狩崎の父にあたる狩崎真澄によってこの組織で行われていました。

一輝の父である五十嵐元太(本名は白波純平)にギフの細胞を移植するなど非人道的な実験を行っていましたが、事故により壊滅したときに、「ギフの棺」を流出させてしまうなど、その後の騒動の原因の多くを生み出していました。

後のフェニックス長官である赤石もノアで管理部門を担っており、まさにフェニックスの原点ともいえる組織でしたが、限りなくブラックに近いグレーな組織だったので壊滅は必然だったのかもしれません。

組織論的に言えば、フェニックスは軍隊としての側面も持つ組織ということもあり、「専制型リーダーシップ」による「ヒエラルキー組織」でした。それに対し、政府の組織ではありながら科学研究を目的としていたノアは「サーバント型リーダーシップ」による「マトリクス組織」であったと思われます。

ギフを崇拝するデッドマンズの進撃と衰退

フェニックスにとって最大の敵が、バイスタンプによって生み出されるデッドマンを使って社会を混乱させようとしている組織、デッドマンズです。アギレラ、オルテカ、フリオという三幹部の下、社会に不満を持つ信者たちを集めていました。

スカイベースに乗り込むなど、悪行を繰り返しましたが、フェニックスの猛攻によって本部であるデッドマンズベースが壊滅、信仰の対象であったギフの棺もフェニックスに回収されることになりました。

デッドマンズは宗教的組織に近い「専制的リーダーシップ」による「ヒエラルキー組織」でしたが、フェニックスと違ってリーダーシップをとれる人材が少なかったのが大きな弱点でした。

大イベントであった「ギフの復活の儀式」の失敗や、三幹部の分裂により、組織の統制がとれなくなり、さらに「新生デッドマンズ」も短命に終わることで、デッドマンズは完全に終焉を迎えることになったのです。

第三の勢力ウィークエンドとは!?

しかし組織はこのふたつだけではありません。フェニックスに対してもデッドマンズと同様に監視すべきだという考えのもと、デッドマンによって家族を失った者たちによって構成されているレジスタンス組織がウィークエンドです。

五十嵐家のもう一人の仮面ライダーであるさくらをはじめ、フェニックス関係者からもデッドマンズ関係者からも参加する者がいたため、相応の戦力を持ち、世界が平和を取り戻すために大きく貢献しました。

ウィークエンドはフェニックスとは対照的な「民主型リーダーシップ」による「フラット組織」であり、意思疎通に優れた組織となっていました。そのため、志半ばでリーダーを失うことがあっても組織が崩壊することはなかったのです。

激しい戦いが終わったときには、すでにフェニックスは崩壊しており、さらに目的を達成したウィークエンドも解散することになりました。そこで新たな秩序を守るために生まれた組織がブルーバードでした。

フェニックスの司令官からウィークエンドの一員となり、仮面ライダーとしてではなく人間として戦い続けた門田ヒロミが初代隊長となったブルーバードは、その名のように人類にとっての「幸せの青い鳥」となってくれるのでしょうか。それは、悪と戦うことをあきらめなかったヒロミのような人間たちの活躍にかかっているのでしょう。

ブルーバードはフェニックスへの反省に基づいた組織なので、「ヒエラルキー組織」ではありながらも複数のリーダーを有し、「民主型リーダーシップ」を取る形になっていくのではないでしょうか。

仮面ライダーシリーズには大迫力のアクションシーン、多彩な変身アイテムなど、さまざまな魅力が詰まっていますが、いろいろと特徴的な組織も各作品には登場していますので、組織の在り方に注目して鑑賞してみると、また作品の新たなとらえ方ができるかもしれません。