いよいよ受験シーズン本番。子どもを応援するあまり、ついつい力が入りすぎたり、不安でいてもたってもいられない親御さんもいるかもしれません。3人の子どもを持ち、中学・高校・大学の子どもたちの受験を経験した、ESSEonlineライターのフネさんは、子どもの受験で後悔したことがあるそう。受験を考えている方、まさに今がんばっている方へ向けて、フネさんが子どもの受験での自身の後悔や反省エピソードを教えてくれました。

偏差値にとらわれすぎた後悔

1つ目は後悔したエピソード。わが家は長女、長男、二女の3人がいるのですが、これは第2子である長男のときのことです。女子にはさまれたからか性格はやさしくて、温厚な長男。

当時の私は、「高い偏差値の学校に行かないと、私立に行く意味がない」と思い込んでいました。読書好きな長女に比べ、長男が読むのは漫画風の物語ばかり。語彙力の差も大きく、長女が5年生で解いていた論理的な文章題を見て、「あ、こりゃ息子には無理だわ」と勝手に判断してしまったんです。

小学3年生で入塾し、受験クラスには合格していたものの、「この子は高校受験でがんばればいいや」と皆が本格的になるときに退塾させてしまいました。本人もそれならそれで、という感じ。結局中学受験はせず、そのまま彼は都内の私立高校に入学しました。附属の中学がある高校です。

しかし、入学後のある日、ふと彼が言いました。

「中学からここに来たかったな」

その言葉を聞いたとき、心底申し訳ない気持ちになりました。

学校の価値は、偏差値だけではありません。そこにある「環境」や「友人関係」、「校風」も含まれます。そこに時間や労力をかける、つまり「環境への投資」なんですよね。私はそれをわかっていながら、難関大学に入るためのステップとしてしか見ていなかったのです。

もちろん中学受験をしていたとして受かったかはわかりませんが、私の勝手な思い込みでの判断を後悔した出来事でした。

「この子は大丈夫」という油断がまさかの結果に

2つ目は、第3子の二女の話。

長女のときは、最後まで成績が安定せず、志望校別特訓でも最後にクラスが落ちたりとハラハラし続けました。

対照的に、二女はずっと志望校別特訓クラス内でも上位クラスをキープ。塾の先生からも、周りの保護者たちからも大丈夫だろうと思われていて、不安に思っているのは私だけ。その空気が、本人にも「油断」を生んでしまったのだと思います。

結果は、まさかの不合格。親がもっと気を引き締めてあげられていれば…、当時は思いました。今となってはよい経験です。

「転塾」する?しない?

最後に、長女のときの話です。ずっとトップクラスにいた彼女は、6年生になるときにクラスが細分化され、上から2つ目のクラスに。本人は大して気にしていませんでした。

なのに私は焦り、頭に「転塾」がよぎりました。塾はトップクラスにいい先生をあてるんじゃないか、と思ったからです。

そこでこっそり別の大手塾の入塾テストを受けさせたところ、驚きました。全然トップクラスに届かない結果だったのです。

というのも、塾はそれぞれにカリキュラムが組まれていて、進度も違います。娘がどこの塾でもトップではないのだという現実と、転塾のリスクに気づきました。

転塾はテキストや進度が変わり、知っている先生や友達がいなくなる。子どもにとってもの大きなストレスに。その負担を背負わせてまで変えるメリットが本当にあるのかを考えるべきだったと反省しています。

クラス替えは“その子の実力に合った丁寧な指導を受けられる”ことがよさだと思います。結局娘はそのまま通塾し、第一志望を変えることなく合格することができました。

大切なのは、「今の環境でなにができるか」を考え、塾のせい、先生のせいにしないこと。「大丈夫だよ」と親がまずどっしりと構えることで、子どもの安心感につながると改めて実感する出来事でした。

親ができるのは、ポジティブな声かけとご飯の準備だけ

3人の受験をとおしてわかったのは、子育て全般が本来そうなのですが、親がコントロールできることなんて、じつはほとんどないということ。

・「環境への投資」と割りきって子どもに合った広い視野で学校を選ぶ

・順調なときこそ足元をしっかり見つめる

・うまくいかないときこそ、子どもと塾を信じる

私は受験をしている子どもたちを見るときはいつも、ついその後ろにいる両親に思いを馳せてしまいます。がんばりましたね、と声をかけたくなります。受験真っ最中の親御さんにはぜひ、どんな結果になっても、その子に用意されたいちばんいい結果だと思って声をかけてあげてほしいです。