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2026年4月に全ての自治体で「こども誰でも通園制度」が導入されます。

【写真を見る】1時間300円程度で『こども誰でも通園制度』 4月全国導入 ニーズ高まる中、課題は?

少子化や親のライフスタイル変化、そして保育士不足など、試行錯誤が続く保育の現場を取材しました。 

誰でも使えて、ありがたい

熊本市に住む藤本知佳子さん。1年ほど前から週に1回のペースで「こども誰でも通園制度」を利用しています。

藤本さん「名前の通り、就労している・していないにかかわらず誰でも使えるので、ありがたいなと思います」

保育所との違いは?

そもそも保育所は、保護者の就労や病気などを理由に「保育の必要がある」と認められた乳幼児のための施設です。

一方、今年4月に全ての自治体で導入される「こども誰でも通園制度」にはこうした条件がなく、生後6か月から3歳未満の子どもを誰でも保育施設に預けられる制度です。※事前登録・予約が必要

親の孤立感を防ぎ、子どもの成長を支援することを目的としています。

熊本市の場合、1時間300円で預けられ、追加で料金を支払えば給食やおやつも提供されます。

家事や買い物がしたいときにも

藤本さん「子どもが、今、結構ウロチョロするので、スムーズに家事や買い物ができるのがかなり助かっています。夫も忙しいし、私の実家も遠方なのでなかなかすぐに預けることが難しくて、頼っています」

藤本さんは、通院や買い物の時などに短時間で利用していると言います。

制度を利用し始めて1年。2歳の想大くんに変化が見られるといいます。

藤本さん「家では食べないのにここでは食べたり、スプーンが使えるようになって帰ってきたり、日々成長は感じられます」

担当保育士「来たらすごく喜んで、おはようという。毎日は来ないけど定期的に来ることで、1つの部屋が出来上がっている。子ども同士の関わりが増えることで、子ども達にとっても成長の1つになるのかなと」

ニーズに対して、現場が抱える課題

熊本市は、2024年に先行導入し、現在の登録者は483人(1月21日時点)。保育施設側もこの制度へのニーズの高さを感じています。

認定こども園やまなみ 山崎敬太郎 園長「見込んでいたよりも多かったのが実際のところです。予約が取りにくい状況はあります」

ただ、利用できるのは月に10時間までで、毎日の通園ではないので慣れるのに時間がかかり、保育士が付きっきりになることもあるといいます。

山崎園長「職員の負担感は大きなものがあります。システムのこともあるし、お金のやり取りも都度発生するので、色んな手間暇がかかってくる。どの園でもとなると、少しハードルが高いかなと思う」

4月から全ての自治体で導入されますが、担当する職員の配置など、すでに課題としてある保育士不足の中、さらに新たな人材確保の必要性にも迫られています。

熊本県宇土市では新たな取り組みが始まりました。

公立幼稚園の中に「民間の保育施設」

宇土市子育て支援課 湯野淳也 課長「幼稚園を残したまま、どういう形で待機児童の解消に努めていくか」

約100年の歴史がある市立宇土幼稚園は、定員110人対して通園するのは48人。保育所に比べて預かり時間が短い幼稚園は、両親の共働きなどライフスタイルの変化によって園児数が減少しています。

一方で、宇土市では0歳から3歳未満の待機児童問題が深刻化しています。

そこで宇土市が打ち出したのが、民間の保育施設と合わせた活用です。

2025年9月、幼稚園の空き教室に小規模の保育施設を誘致しました。

手応えは・・・?

うとみらい保育園 藤田奈保子 園長「0歳児4人、1歳児3人の7人でスタートし、とても落ち着いて過ごすことができている」
 

市立宇土幼稚園 古川公雄 園長「時折、赤ちゃんの泣き声が聞こえて、幼稚園ではそういったことはまずないので新鮮な感覚です」
 

保育施設では最大19人を受け入れることができ、3歳になり希望すれば宇土幼稚園に通うことができます。

古川園長「2歳児が3歳児になって全く別の園に行くよりも、同じ空間で共に過ごした仲間として幼稚園に入るというのは大きなメリットですね。園児数確保にも繋がるし、待機児童の解消にも繋がればとても良いと思います」

避難訓練も合同で

この日は合同の避難訓練。幼稚園のお兄ちゃん、お姉ちゃんと一緒に園庭に集まり話を聞きました。

古川園長「今日は避難訓練を一緒にしたが、今後は運動会や発表会など、何かを作り上げていく交流ができたら一番いいなと思う」

宇土市子育て支援課 湯野淳也 課長「同じ空間で過ごすことで、子ども達の社会性や思いやりなどが育まれるのではと期待している」

▼解説「こども誰でも通園制度」

「こども誰でも通園制度」は、今年4月にすべての自治体で始まります。先行導入している熊本市は、現在11か所で受け入れています。

熊本市の場合、1時間300円で利用できますが、実際の費用は0歳児の場合1時間1600円かかっています。この差額は国が補助している状況です。

熊本市は今後、ニーズを見ながら増やしていきたいとしています。

一方で受け入れる側は、1日に何人の利用があるか分からない中で、職員を増やす必要に迫られるので、簡単に始めるという判断をできないのが実情です。