25日にリーグカップ決勝戦を控えたアーセナルのアーセン・ベンゲル監督と、チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督が舌戦を展開。ロンドンに本拠地を置くライバルチームの指揮官2人が、監督の評価を巡り、激しく意見を戦わせた。

 舌戦の先陣を切ったのは、モウリーニョだった。先日、記者会見で自身の去就について聞かれたポルトガル人監督は、「ベンゲルはトップクラスの監督だが、チャンピオンズ・リーグ(CL)の優勝経験はない。ポルト時代に優勝した私が去就を問われるなら、彼はもっと厳しい立場なのでは?」と、昨シーズンのCL決勝戦でバルセロナの前に涙をのんだフランス人監督を冷やかした。

 これに対し、ベンゲルは冷静に反論。CLの優勝歴が監督の優劣を決めるものではないと言い放った。

「CLで優勝した監督であっても、高い評価を受けていない監督もいる。重要なのは、15年や20年といったスパンでキャリアを見ること。その中での仕事ぶりや、いかに安定して力を発揮できるかが問われるべきだ。私はシーズン無敗記録を樹立したこともあるが、それで毎週、跳び上がって喜んでいたわけではない。CLで優勝したからといって、人生が変わるわけではない」

 直接対決の直前に、真っ向から反論を受けたモウリーニョは、再び応戦。チェルシーにおける去就問題を絡めながら、自らの能力に対する絶大な自信を語った。

「私は、自分が偉大な監督だと思っている。ベストとは言わないが、少なくとも世界のトップクラスだ。私は、イングランドに来て、チェルシーに50年ぶりのリーグ優勝をもたらした。しかも2年連続だ。だからこそ、チェルシーを辞める場合でも、道は2つしかない。2010年に切れる契約を更新しないか、チェルシーが私のクビを切るかのどちらかだ。私の意志でチェルシーを去ることはない」

 戦前からお決まりの舌戦が繰り広げられているアーセナル対チェルシーの“犬猿対決”。カーディフのミレニアム・スタジアムで行なわれる決勝戦が、白熱した展開になるのは間違いなさそうだ。