試練乗り越え栄冠 ストリートダンス世界一の佐竹兄弟【徳島】
2025年のストリートダンスの世界大会で、初出場ながらそれぞれの世代の優勝を勝ちとった兄弟が徳島市にいます。
しかし、栄光への道のりは、決して平坦なものではありませんでした。
わずか、12歳の兄が直面した病、そして頂点への道のりとは。
(ダンス世界大会優勝・佐竹央二郎くん(12歳))
「今まで練習してきて、コツコツやってきたことが報われた気がして、すごく嬉しかったです」
(ダンス世界大会優勝・佐竹奏志郎くん(8歳))
「初めて世界大会に出て、『優勝したらヤバいな』って行く前にお母さんに言ってたんですけど、本当に優勝したので、すごくいい経験になったなと思いました」
華麗なダンスを披露するのは、佐竹央二郎くん12歳と、弟の奏志郎くん8歳です。
2人は2025年8月、イギリスで開かれたストリートダンスの世界大会に初出場。
40か国から予選を勝ち抜いた約4500人の出場者の中、14歳以下と8歳以下、それぞれ初心者の部でともに優勝、兄弟そろって世界一に輝きました。
(ダンス世界大会優勝・佐竹央二郎くん(12歳))
「(決勝で)知ってる曲流れて、好きな曲だったんで、結構バイブス上がって出し切れました」
(ダンス世界大会優勝・佐竹奏志郎くん(8歳))
「嬉しかったのもあったけどビックリした」
2人は普段、北島町のB.I.G.ダンススタジオでダンスを学んでいます。
スタジオの先生も、この結果には驚きました。
(B.I.G.ダンススタジオ・KAZU 代表)
「最初『いい経験になると思うんで、頑張ってこいよ』っていう言葉をかけて、正直優勝するとまでは思っていなくて、ビックリしたっていうのが本音です」
先にダンスを始めたのは、兄の央二郎くん。
以前は、剣道少年で地区大会の優勝経験もあります。
しかし、その練習中、強烈な痛みが右脚を襲いました。
(兄・佐竹央二郎くん(12歳))
「成長痛ぐらいと思ってたんですけど、入院しないといけないことになったんで、結構ビックリしました」
(父・佐竹亮さん)
「骨の成長線のところに影があって、骨髄炎かもしれないという疑いと、骨肉腫かも知れないっていう診断でした」
(記者)
「医者から、どんなことを言われた」
(父・佐竹亮さん)
「最初、診断受けた時にそこまでひどいと思ってなかったんで『剣道ってまだできますか』って聞いたら」
「『そんなこと言っている場合じゃない、片脚だけが成長止まって長さが変わったりとか、場合によったら脚切ったりするかも知れないから、歩けるかどうかとかの話だから』と言われて」
「そこで初めて、そこまで重い症状になっているんだなと、気付かされましたね」
幸い手術は無事、成功。
1か月にも及ぶリハビリにも、耐え抜きました。
しかし、わずか7歳の少年を襲った過酷な治療と入院生活は、その心に見えない影を落とします。
(兄・佐竹央二郎くん(12歳))
「痛みとかに敏感になったり、血見たらパニックなるみたいな症状が出たり、吃音症なっちゃったりとか結構病んでて不登校に」
(父・佐竹亮さん)
「日に日に痩せていって、顔色とか肌の水分もどんどんなくなっていっているような感じを毎日見ていたら、かわれるもんなら僕がかわってあげれたらいいのになと、思いながら見てました」
そんなある日、剣道ほど足に負担はかからないからと、ダンスで体を動かすようになりました。
このことが気分転換となったのか、再び学校にも通い始めます。
兄の姿を見た弟の奏志郎くんも、半年遅れてダンスを始めました。
現在は週4回、1時間20分ほどのレッスンに励んでいます。
(B.I.G.ダンススタジオ・KAZU 代表)
「へそ下、丹田というんやけどこれが大事、ここをキュッと引き上げる」
(兄・佐竹央二郎くん(12歳))
「丹田って、おへそから(指)4本ぐらい下にあるんですけど、そこをキュッとしめて上げながら動かしたら質感が出るっていう、そういうのをまだマスターしきれてないんで、頑張っていきたいと思います」
そんな2人ですが、家に帰ればごく普通の兄弟です。
(弟・佐竹奏志郎くん(8歳))
「兄貴には、負けんのよ」
(記者)
「どっちが強い」
(佐竹兄弟)
「僕ですね」
(記者)
「どんな弟ですか」
(兄・佐竹央二郎くん(12歳))
「活発で、イベント行っても知らん子たちとすぐ仲良くなってたり、走り回ってたり動いたり陽気です」
(弟・佐竹奏志郎くん(8歳))
「食べ物が1つしかない時に、どっちもが好きな食べ物を半分に分ける時に、僕に多い方をくれるのですごい優しいです」
とはいえ、パフォーマンスを保つには、自主練習も欠かせません。
央二郎くんは毎日約4時間、鏡の前で自身の動きをチェックしながら基礎練習を繰り返します。
奏志郎くんは、音楽に即興で合わせたり、ビデオを見たりしながらの練習です。
向き合い方はそれぞれですが、うまくなりたいという気持ちに違いはありません。
そんな2人が描く、それぞれの未来像とは。
(兄・佐竹央二郎くん(12歳))
「世界で通用して、世界で活躍できるプロダンサーになりたいです」
(弟・佐竹奏志郎くん(8歳))
「プロダンサーになりたい」
病を乗り越えた兄、その背中を追う弟、2人でかなえる夢の輝きはスポットライトの何千倍も眩しい。
2人が通うスタジオでは、ピラティスもレッスンにとり入れていて、これを続けたことで脚への不安がなくなったということです。
2人の今後の活躍に期待したいですね。
