99歳と93歳 2人あわせて192歳の水彩画展【徳島】
99歳と93歳、2人あわせて192歳の作品展が、徳島市で開かれています。
いくつになっても、みずみずしい感性はそのままに。
2人の作品展を、佐々木さんが取材しました。
(記者)
「徳島市銀座のグレイスでは、正月にふさわしい2つの水彩画展が今、開かれています」
(岸健二さん(99))
「大正15年の4月28日生まれ」
(記者)
「あと3ヶ月で」
(岸健二さん(99))
「100じゃ、今は99歳と9か月じゃ」
(岸健二さん(99))
「絵は生まれた時から好きでね、小さい時なんか絵に夢中になって、親父・おふくろに『はよ飯食え!』って怒られたことがある」
大人になってもその気持ちは変わらない、モチーフは北海道や横浜など、転勤で暮らした街の風景。
山登りが好きで、日本百名山を踏破しました。
(岸健二さん(99))
「今、徳大の工学部って言ってるけど、昔は徳島工業専門学校、戦争中やから船を作らにゃいかんってことで、造船科の一期生、今は国交省言ってますけど運輸省やね」
この日は、職場の同僚が10年ぶりに訪ねてきてくれました。
(職場の同僚)
「100歳までこんなにお元気で、こんな絵を描かれる素晴らしいですよね」
「年齢的には私も90近いですけど、本当に岸さんのような人生を送りたいなと、そういう先輩です」
(岸健二さん(99))
「お元気で見習ってください」
(岸健二さん(99))
「パリで(この絵は)これ現場で描いた、だから絵に力がある」
退職後も、絵を描く情熱は衰えませんでした。
絵筆を片手に、世界を旅しました。
そして、大好きだった山へ。
(岸健二さん(99))
「日本中の山をだいたい登った後、ヒマヤラに行きたいなあって」
「写真ではよく見ていたけど、ネパールに飛行機が近づいた時に、はるか向こうに真っ白な山がずらっと並んでいるのね、あの時は感激しました」
「たくさんの人が見に来てくださって、もうこれ以上の幸せはない。感謝、感謝です」
(記者)
「1階のアートギャラリーでは、ヒマヤラの雪解け水がほとばしるような、みずみずしい感性を全身で感じることができました」
「99歳の岸さん、すごい!」
「つづいて、2階のギャラリーカフェに行ってきます」
高木要さん93歳。
徳島大学薬学部を卒業後、京都大学と慶応義塾大学で薬学の研究を続けました。
30歳のとき、新薬の開発のためフランスに留学。
キュリー研究所で研究しながら、パリ大学で博士号を取得しました。
(高木要さん(93))
「パリの風景っていうかね、それを描いていると、昔のことを思い出す」
「暮らしていた時代のことを思い出すね、それを思い出すと、その時代の人間に帰っちゃう。若返るね」
楽しかったパリでの青春。
研究のかたわら、ヨーロッパ各地を訪れ、スケッチブックを広げました。
落ち葉を踏みしめたあの感覚を、今も忘れない。
(高木要さん(93))
「必ず線と面と、かすれとにじみと、そういうことだけで絵が成り立っている訳だから、説明はない」
「普通はみんな説明するじゃないですか、例えばこれはスイセンですよって、スイセンの花は白と黄色でなっていますよって」
「スイセンであろうと何であろうと構わない」
「白と黄色と青でできた花のような形と空間があれば、その空間が見る人に訴えかけてくる」
(高木要さん(93))
「古いパン屋さんに通って、フランスパンのパンのカンパーニュ田舎風パンを買って」
「そこのお姉ちゃんと顔見知りになって、ちょっと冗談を言い出したりするような、そういう光景がね」
(記者)
「そういう光景が、絵を描きながら人生を振り返って、もう一度体験しているんですね」
(高木要さん(93))
「そういうことですね」
「パリの朝、朝ごはん一杯のコーヒー召し上がれ」
(記者)
「99歳と93歳人生の大先輩から、いくつになっても好きなことに夢中になるのはいいものですね」
