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雪道での立ち往生に巻き込まれることも

2026年最初の『もびり亭』になります。本年もよろしくお願いいたします。

お正月は近所の神社に初詣に行った後、おせち料理とお雑煮をいただきつつ、3日は母親の住む横浜に行ってきました。最近のルーティーンでもあるのですが、今年はこの横浜移動でちょっと悩むことがありました。


スタッドレスタイヤを履いたシトロエンC4カクタス。    森口将之

前日の夜、東京に雪が降ったからです。

一時はけっこうな勢いだったので、いつもはクルマで行くところ、電車とバスに切り替えようと思っていました。幸いにして、3日の朝に起きると、家の近所の路面はほぼ乾いており、首都高速道路も雪による通行規制はなかったので、予定どおりクルマで出掛けました。

僕が所有するクルマは、チェーンは積んでいますが、スタッドレスタイヤは履いていません。なので、公共交通への切り替えを考えたのですが、仮にスタッドレスを履いていても、雪が降り積もるようなら公共交通を選んだでしょう。

理由は、運転士から線路に至るまで、高度な安全対策が施された鉄道に対して、道路を走るクルマやドライバーのレベルはさまざまで、多くの場合、レベルの低い人に流れを合わせなければならないからです。

典型的なのが雪の日で、ノーマルタイヤのままチェーンをつけずに走行して立ち往生したクルマがあると、冬用装備を付けているかどうかは関係なく、同じ道路を走るすべてのクルマとドライバーがそれに付き合うことになってしまいます。

東京で暮らす僕は、雪道の運転経験はごくごく限られたものであり、はっきり言ってレベルの低い人です。それならバイクと同じように、クルマも雪の日には無理に乗らなくてもいいんじゃないかと思うようになりました。

一度電車で帰宅し、翌日クルマを取りに

かつては僕も何度か、スタッドレスタイヤを履いたことがありました。直近では、10年ぐらい前に乗っていたシトロエンC4カクタスに装着していました。しかし実際に雪道を走ったのは、取材のために新潟県を訪れたときだけ。僕のライフスタイルに、雪道を走るというシーンは存在しないことを教えられました。

となると、新たにタイヤとホイールをワンセット買うための出費、冬の初めと終わりにタイヤを付け替える労力と、それを置くための場所の確保が、無駄だと思えてきました。なので、それ以降、スタッドレスタイヤは止めたのです。


筆者がかつて乗っていたシトロエンGS。    森口将之

では、出先で雪が降ってきた場合はどうするか。実際にそういうこともありました。

C4カクタスの次に乗った1971年式のシトロエンGSで、取材日に雪が降る予報が出たものの、スケジュールを変えることができず、ロケ地のさいたま市に出かけたところ、撮影中に空から白いものが……。

走りのシーンは前の日に撮り終わっていて、この日はビルの駐車場の中での撮影だったので、問題なく終了。僕は迷うことなく、GSを駐車場に置いて、まだ動いていた電車で帰りました。

翌日には雪が止み、路面も乾いたので、再びさいたま市の駐車場に向かい、クルマを取ってきましたが、今もこれで良かったと思っています。

そもそも東京は雪が降っても年に片手で数えられるぐらいの回数だし、そのときには違う移動手段を選べばいいので、冬用タイヤを選ばない生活は充分可能です。最近注目されているオールシーズンタイヤも 、自分の中ではここに含まれます。

『外出そのものを止める』という選択肢

でも、世の中には僕のように考えないドライバーもいるようです。いつでもどこでも自由に移動できるというクルマの魅力を、氷雪路にも当てはめてしまう人たちです。それが立ち往生を引き起こし、冬用装備をした人たちまでそこに巻き込んでいます。

自分もジャーナリストのひとりとして、さまざまな場面で安全運転を呼びかけていますが、ながらスマホ同様、ルールを守らないドライバーは増える一方という印象を抱いています。どちらも厳罰化を求めたいところです。


数年間に東京都内で積雪があったときの様子。    森口将之

それと、取材で雪道を走った経験から言えば、スタッドレスタイヤは無敵ではありません。『冬はスタッドレスタイヤにしましょう』というフレーズはよく見ますが、乾いた舗装路のようなグリップは期待できないことにも言及してほしいものです。

大雪は地震と違って、ある程度予想ができます。とりわけ最近の天気予報は、時間や地域などきめ細かい予報が可能。事前にその日の予定や移動手段を変えることはできるはずです。

それでいて、近年の気候変動の影響で、以前よりも『集中豪雪』になる可能性は増えているのに、ノーマルタイヤで走る人は減りません。ですので、雪が積もりそうならリスク回避でクルマを使わない、という選択肢はアリだと考えているのです。

では、公共交通が止まったらどうするか。僕なら外出そのものを止めます。それが危険のサインだと思っているからです。今年のお正月で言えば、電話で母親に行けないことを伝えたでしょう。

世界一の積雪都市、青森で暮らす義父は、雪道について「できれば運転したくない」と言います。雪道のエキスパートが口にしたこの重い言葉も、僕が雪の日に運転しない理由のひとつになっています。