ムーンスター「 SPLT AMM117」。6050円。写真は公式HPより

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こんにちは、シューフィッター佐藤靖青(旧・こまつ)です。靴の設計、リペア、フィッティングの経験と知識を生かし、革靴からスニーカーまで、知られざる靴のイロハをみなさまにお伝えしていこうと思います。
シューフィッターとして過去2万人以上、2025年もざっくり200名ほど相談者様の足に触わりました。体感的にそのうちの3割ほど、とくに男性に「本当の幅広足」でお悩みの相談を受けました。今日は幅広足向けの靴を紹介していきます。

「本当の」とわざわざ強調したのは、思い込みで自分の足が幅広だと信じている方が多いからです。幅広の靴がちょうどよかった、というのはあまり当てになりません。大半の方は、幅はせまく、JIS規格でいうE〜2Eの方が大半です。ゆるすぎる靴は指先を靴の中でぶつけてしまい、靴ずれやマメの原因になりますので、自己判断には注意が必要です。

どこかのショップでちゃんと測定をして、「4E以上」と判断された方におすすめの幅広靴をカテゴリー別でピックアップします。

◆.Εーキングシューズ〜日常履き部門

アンダーアーマー「UAチャージド サージ4 エクストラワイド」(7700円)。公式発表は4E。実際に3Eの筆者が履くと完全に足が遊んでしまうくらいには幅が広く、甲も高い。いわゆる「ザ・昭和型」の甲高幅広で、お財布にもやさしい1足。通勤〜ウォーキング〜ランニングまで使えて、販売されてからまる2年以上売れ続けている、とにかく息の長いモデルです。ABCマートでも販売しているので、試しやすさ、買いやすさも優秀。超軽量でバランスのクセもなく、丈夫です。体育大学のガタイの良いラグビーの部活生がこれを履いて走り込んでいるのをよく見かけますが、壊れているのをほとんど見たことがありません。つま先が広い割には、カカト周りはきちんとコンパクトにつくられており、ネンザの心配もありません。

◆意外と知られていない4Eのフラッグシップモデル

ニューバランス「Made in USA 990v6」(3万9600円)。実はD、2E、4Eの三択から選べるニューバランスのフラッグシップモデル。4E以上の幅広スニーカーはどうしてもシニア寄りのデザインになりがちですが、それらを一蹴する圧倒的美しさと歩きやすさ。大谷翔平がプライベートで履いていることでも有名なモデルです。4万円弱という価格に腰が引けるかもしれませんが、ニューバランスの技術と職人技をこれでもかと詰め込んだ珠玉のモデル。履き心地は控えめに言っても天国です。ニューバランスといえば996や574といったクラシックモデルばかりが目立ちますが、実はどちらも幅は「D」。ニューバランスは細くて、と敬遠している方でも、990の4Eなら難なく入ります。4E幅は実店舗にはほとんど在庫がなく基本はオンライン販売なので、ショップで足長のサイズ感覚をつかんでから購入しましょう。

◆4Eでもまだきついなら、究極の幅広5E

ムーンスター「SPLT AMM117」(6050円)。4Eでもダメなら5E。JISでは「F」にランク付けされる究極の幅広ですが、日本のムーンスターがしっかりカバーしているのはさすが。かなり重い体重を想定しているため、ミッドソールとインソールにもソフトな素材を使っています。ABCマートでは「足裏まくら」シリーズとしても展開していますので、目にする方も多いかもしれません。ニューバランスとどことなく雰囲気が似ていなくもありませんが、こちらは合皮のスエードを使用することでコストをカットしています。目立つロゴもないので、価格よりだいぶ高見えするところも気が利いています。完全にウォーキングシューズとして設計されているので、走るのは不可。とはいえ日常履きや旅行には十分対応できます。ソフトすぎて歩きづらい場合も、カップインソールが取り外せるので硬めのインソールにカスタムも可能です。