街中がイルミネーションで輝き始め、日本はすっかりクリスマスムード一色なこの頃。ジョージアでは、まだツリーが準備中なんだそう。53歳でスペインに単身留学し、現在はジョージアに滞在中のRitaさん(56歳)は、日本との雰囲気の違いにびっくり! ジョージアで過ごす初めてのクリスマスを迎えようとしているRitaさんに、クリスマスの文化や習慣の違いについて教えてもらいました。

ジョージアのクリスマスは「1月」が本番

この国のクリスマスは、宗教的にはGeorgian Orthodox Church(ジョージア正教会)の暦に従って祝うため、一般的なキリスト教圏の12月25日ではなく、「1月7日」が正式なクリスマスなのです。

【写真】衣装が赤くない!ジョージアのサンタ

そのため、12月24〜25日は多くの人にとっては普通の日。今の時期、日本のような「きらびやかなクリスマスムード」「冬のウキウキした感じ」はほとんどなく、「あれ…クリスマス前って、こんなに静かだったっけ?」と少し不思議な気持ちに…。大きなツリーは今まさに準備中です。

サンタクロースは年末にやってくる

ジョージアのホリデーシーズンのスケジュールは、

・12月31日:年越し(ニューイヤー)
・1月1日〜2日:新年とベドバ(幸運の一日)
・1月7日:正教会のクリスマス
・1月14日:旧暦のお正月
・1月19日:正教会の公現祭(ホリデーシーズンの締めくくり)

といった感じで、つまり、年末年始が西洋でいうクリスマスムード。

この時期に、教会での礼拝、祝いの宴、プレゼント交換、パレードが行われ、そして1月19日にはクリスマスツリーを燃やし、その年の厄を清めることで、ホリデーシーズンの締めくくりとなります。

なお、日本の12月24日のように、仲間や家族と過ごす夜と同様に考えられているのは、ジョージアでは12月31日。サンタクロースがプレゼントを運んでくるのは、クリスマスではなく、この12月31日が一般的と聞いています。

以前は禁止されていた「クリスマス」

ジョージアは1991年のソ連崩壊後、宗教の自由が戻り、長らく禁じられていた伝統的な行事が少しずつ復活しました。それまでは、クリスマスを含む宗教的なイベントは公には祝えなかったようです。

だからこそ今、人々はジョージアらしい「自分たちのクリスマス」を大切にしながらも、西欧文化やグローバルな要素も取り入れていて、まさに「文化が混ざり合っている最中」といった感じです。

クリスマスは年明けとなりますが、街のライトアップやデコレーションは、徐々に華やかになってきています。ホテルやレストラン、外資系のスーパーなどでは、ツリーやリース、オーナメントも見かけ、そうしたコーナーには、買い物客が楽しそうに集まっていて、少しずつ「その日」が近づいているのを感じます。

そして、ひときわ目を引くのが、白い衣装のサンタクロース!

ジョージア語では「トヴリス・バブア(Tovlis Babua)」と呼ばれ、「雪のおじいさん」という意味なのだそう。真っ白な帽子とローブを身にまとった姿は、どこか神聖で優しげ。赤いサンタとはまた違う、静かでやわらかい存在感があります。

ジョージアならではのクリスマスツリー「チチラキ」

この時期、市場や道ばたで少しずつ見かけるようになるのが、「チチラキ/Chichilaki」という、ジョージアの伝統的なクリスマスツリー。

一見、ふわふわした枝のようなこのツリー。じつは、ヘーゼルナッツやクルミの木の枝を、職人さんが丁寧に細く削って、白い羽のように仕上げたものなんです。

高さは30cmほどの手のひらサイズから、1mを超えるものまでさまざま。そこにリンゴやザクロ、小さな果物やお菓子を飾りつけて、「実りある一年になりますように」と願いを込めて飾るのが、この国のクリスマスの風習。

この素朴で優しい佇まいのチチラキが、少しずつ並び始めるのを見ると、「ああ、ジョージアでは、これがクリスマスの入り口なんだな」と感じます。

赤や金で華やかに彩るクリスマスツリーとは異なり、“心に灯る”ような冬の風景が見られることも魅力の1つです。

文化が違えば、クリスマスの風景もこんなに変わるんだと、ここジョージアで実感しています。

でも、小さな街の明かりや、そっと揺れるキャンドルの光に、心がやわらかくなるのは、どこにいても同じ。大きさや華やかさに関わらず、静かな幸せを感じられることこそが、本当のクリスマスなのかもしれません。

この季節、皆さんの心にも優しい明かりが灯りますように。