Image: Google

GoogleのAI設計、ぶっ飛びすぎでは。

2025年12月18日、Googleが新しいAIモデル「Gemini 3 Flash」を発表しました。特徴は、爆速に回答を生成できる軽量モデルなのに、かなり賢いということ。AIの話というと頭イイ、スゴイの連続で食傷気味ですが、このモデルは刺激的です。それは性能面というよりは「実現しようとしているものが何か?」を考えたときに、でした。

とはいえ、性能の話は避けて通れないので、ざっとまとめます。まずは回答を作成するスピードがめちゃくちゃ速いです。

ベンチマーク結果もすごくて、マルチモーダル性能ではChatGPTに使われているGPT-5.2や昨今最強感のあるGemini 3 Proをも上回っています。コーディング能力が高いのもポイントで、こちらはGemini 3 Pro超え。

Image: Paul Couvert/X

API利用料はInput $0.5/1M tokens・Output $3/1M tokensで、Gemini 3 Proの1/4。この安さのおかげでAntigravity(指示だけでアプリが開発できるツール)の無料枠を実質拡大できた!なんてGoogleの人は言ってました。ベンチマークを踏まえても、AIコーディングに使うのに非常によさそうなモデルです。

Geminiでもチャット欄で設定できる「高速モード」から利用できます。

思考を高速循環。AIは「直感」を得るのかもしれない

…というのが表向きの内容なのですが、個人的にはプレスリリースの表現がかなり独特なのが印象的でした。何これ?って感じの文章じゃないですか。

...since 3 Flash is a reasoning model, you will also need to make sure to circulate thoughts in the API...

(Gemini 3 Flashは推論モデルであるため、API内で思考を循環させる必要がある…)

哲学的な印象も受ける表現ですが、実はGemini 3 Flashの独特な仕様を簡潔にまとめたものとなっています。比喩ではなく、API応答に含まれる“思考の続き”を示す暗号化データを次のリクエストでそのまま返し、推論の状態を途切れさせないようにする仕組みが実装されていて、それを「思考の循環」と言っています。ここでの「思考」はもちろん、AIの思考です。

従来、軽量高速モデルは「反射神経(スピード)」を主に担い、「熟考」は重量級モデルの特権でした。しかしGemini 3 Flashではこの境界が溶解している気がしました。「速い」だけでなく明確に「考える」のですから。

「思考を循環させる」とは、AIの“独り言”をただ延々保存することではなく、人間の求めに応じて始まったAIの思考を敢えて未完了のまま暗号データ化、またAIに戻して推論の状態を途切れさせずに連結すること。そしてそれが超高速で行われる。

これは、人間の「直感(何かを見て瞬時に感じ取ること)」や「直観(物事の本質を経験や推理によらず瞬時にとらえること)」に対応する気がします。人間は言語化を省いた知的処理が可能ですが、AIは言語を介さねばなりません。それを踏まえると、Gemini 3 Flashでは「直感(Flash)とは思考の省略ではなく、超高速で循環した論理の結実である」という、今までにはないタイプのAIの知的処理の形が提示されてはいないでしょうか?

とらえ方はこれ以外にもいろいろあると思いますが、新しい仕組みとして実現されているのがすごいと思います。AI開発競争は苛烈を極める中、Googleだけが1段上のステージに行ってしまったかもしれません。

Source: Google (1, 2), Paul Couvert, Varun Mohan

Googleが新AI「Gemini 3」をリリース。「推論とマルチモーダルにおいて世界最強」と自負

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