焼肉店併設の『元祖ニュータンタンメン本舗』を長野県上田市で発見!パンチのあるニュータンタンメンとの“チャーラー”を堪能

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チャーハンとラーメンのセット、略して“チャーラー”。愛知で親しまれるこのセットメニューを愛してやまない現地在住のライター・永谷正樹が、地元はもちろん、全国各地で出合ったチャーラーをご紹介する「ニッポン“チャーラー”の旅」。今回第58回も長野県上田市。神奈川県川崎市発祥のチェーン店『元祖ニュータンタンメン本舗』で、“チャーラー”を食べています。

長野県上田市でのチャーラーの旅“プランB”を遂行

編集担当のEと取材で長野県上田市を訪れた前回の話の続き。夕方近くに取材が終わり、Eは上田駅界隈を散策するというので駅前で別れた。Eはクラフトビールに目がないので、キリッと冷えた一杯を堪能するのだろう。私も撮影でかいた汗を流して、さっぱりとしたい。そこで近くの日帰り温泉へ行くことに。

入浴には食欲増進の効果があるようで、お風呂から上がるとお腹が空いてきた。せっかくなら、前回紹介した『ラーメン大学』にEが難色を示したときのBプランとして温めておいた店へ行くことに決めた。

上田住吉店」は焼肉店との二刀流

それは『元祖ニュータンタンメン本舗』。関東在住の方はお馴染みのラーメンチェーンだろうが、筆者が暮らす愛知県には店舗がない。機会があれば絶対に訪れてみたいと思っていたのだ。上田市には上田店と上田住吉店があり、帰りのルートも考慮して上信越自動車道の上田菅平インターから近い上田住吉店へ向かった

『元祖ニュータンタンメン本舗』外観。広々とした駐車場も完備

到着したのは、夜7時すぎ。目の前に現れたのは、西洋のお城のような建物。昭和レトロっぽくて何とも趣があるではないか。平日で、しかもこの日は雨が降っていたにもかかわらず、駐車場にはたくさんの車が停まっていた。

店内に入ると人気の秘密がわかった。ここは焼肉店も併設されていて、店内の奥には焼肉ロースターのあるテーブルが並んでいた。宴会中のグループ客もいるようで店内は賑やかだった。ニュータンタンメン目的の私はカウンター席へ案内された。

メニューを見ると、ニュータンタンメンに餃子や春巻き、唐揚げが付く「タンタンセット」やチャーシュー丼などがつく「ミニ丼セット」など、かなり充実していた。

半チャーハンとのセット「半チャーハンセット」もあるが、平日のランチのみの提供だった。なので、「ニュータンタンメン」(960円)と「半チャーハン」(660円)を単品で注文することに

「ニュータンタンメン」は、子どもでも食べられる「控えめ」と「普通」、一番人気の「中辛」、辛いもの好きにオススメの「大辛」までは無料。大辛に激辛唐辛子を加えた「鬼辛」(20円)と鬼辛に花椒ラー油を加えた「鬼辛2nd」(40円)も用意している。ここは無難に「普通」を選択した。

ニュータンタンメンと担々麺はまったくの別物

待つこと7、8分で「ニュータンタンメン」と「半チャーハン」が同時に運ばれた

ニュータンタンメンは今までネットでしか見たことがなかっただけにテンション爆上がり! おーっ、これこれっ! ずっとこれが食べたかったのだ。半チャーハンは単品で注文したため、スープも付いてきた

「ニュータンタンメン」と「半チャーハン」。平日のランチでは「半チャーハンセット」も提供している

『元祖ニュータンタンメン本舗』は、1964年に神奈川県川崎市で創業。店名を冠した「ニュータンタンメン」は、担々麺をヒントに豚ガラ塩味ベースのスープに挽き肉とニンニク、溶き卵を絡ませて、粗挽き唐辛子でパンチをきかせたスタミナ満点の一杯

ゆえに、高度経済成長期に重工業が集まる川崎の肉体労働者たちに支持されたのだろう。地域に根づいている産業を背景にして自然発生的に生まれた食こそ文化であり、そこいらの創作料理とは似て非なるモノなのである。

「ニュータンタンメン」(960円)。丼一面を覆い尽くした溶き卵と粗挽き唐辛子が目を引く

では、「ニュータンタンメン」から食べてみよう。まずはスープから。レンゲですくってみると、澄みきっている。担々麺には欠かせないゴマをベースとした芝麻醤が入っていないのだ。その代わり、粗挽き唐辛子がたっぷりとかかっているため、さぞかし辛いだろうと思いきや、それほどでもない

麺のアップ。スープが澄んでいるのもわかる

溶き卵が生み出すマイルドな味わいによって、じんわりと汗をかく程度。辛さよりもニンニクのパンチの方が強く、担々麺というよりも名古屋の台湾ラーメンやベトコンラーメンに似ている。

唐辛子の刺激とニンニクのパンチは、人を虜にするパワーがあるのだ。スタミナを失いがちな夏はもちろんのこと、身体の芯から暖まるので寒い冬でもオススメだ。

ニュータンタンメンの具材をチャーハンにのせて食らう

麺は自家製の中太麺。これがまたスープの塩味と辛さ、ニンニクの風味がコーティングされ、ひと口味わうごとにスープの味わいをしっかりと感じられる

「半チャーハン」(660円)。米に火がムラなく均一に入っている

一方、「半チャーハン」はシンプルそのものだが、米の一粒ひと粒に油がコーティングされていて、パラパラの食感。強火で炒める際に生じる香ばしさもあり、鍋振りの高い技術力がうかがえる。

サイドメニューでありながら、また、チェーン店ながら、巷の中華料理店よりもおいしい。こんなにも予想を裏切られるのなら、ハーフではなくフルサイズを注文しておけばよかったと後悔した。

「半チャーハン」を半分食べたところで「ニュータンタンメン」の挽き肉と溶き卵をオン

『元祖ニュータンタンメン』に来たら、絶対にやろうと思っていたのが、ニュータンタンメンの挽き肉や溶き卵などの具材をチャーハンにのせて食らうこと

予想通り、これが旨すぎる!

ニュータンタンメンのスープを餡掛けにしてグランドメニューに加えてもよいのではないか。こんな楽しみ方もチャーハンがシンプルだからこそ成立するのだ。

生まれて初めての『元祖ニュータンタンメン本舗』、思いきり堪能することができた。これからもローカルチェーンのチャーラーもどんどんレポートしていこうと思っている。ご馳走様でした!

取材・撮影/永谷正樹

1969年愛知県生まれ。株式会社つむぐ代表。カメラマン兼ライターとして東海地方の食の情報を雑誌やwebメディアなどで発信。「チャーラー祭り」など食による地域活性化プロジェクトも手掛けている。

【画像】長野県上田市『元祖ニュータンタンメン本舗』のチャーラー(5枚)