ゆとりある生活を送るためには「世帯年収500万円以上」必要? 実際それだけ稼いでる家庭はどれくらいある?
世帯年収の実態:平均・中央値・分布から見る「500万円ライン」
まず、世帯年収全体の実態を確認してみましょう。厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、1世帯あたりの平均所得金額は536万円です。
ただし、平均値は高所得者に影響を受けやすいため、より実態に近い中央値を見ると410万円となっています。このことから、500万円という数字は中央値をわずかに上回る水準であり、多くの世帯にとっては決して容易ではない金額といえます。
所得分布を見ると、500万円未満の世帯が全体の58.5%を占め、500万円以上の世帯はおよそ4割にとどまります。つまり、「世帯年収500万円以上」という条件を満たしている家庭は、全体の半分以下ということになります。
世帯主の年齢別では、30代で平均約600万円、40代で約740万円と、年代が上がるほど所得が増える傾向があり、共働きやキャリアの積み重ねがこの差を生んでいると考えられます。
500万円以上の家庭はどれくらいあるか? 割合と世帯特性
前述の通り、厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、全世帯のうち41.5%が500万円以上の所得を得ています。ただし、世帯の構成や地域によってもこの割合は変わります。
例えば、子どものいる世帯に限ると平均所得金額は820万5000円と高く、500万円を大きく超えるケースも見られます。
つまり、500万円という金額は「中央値よりやや上」の水準でありながら、生活の余裕を実感できるかどうかは家族構成や居住地などによっても大きく変わるのが実情です。
「ゆとりがある」と感じるか:年収500万円以上の家庭の実感データ
では、実際に年収500万円以上の世帯は「ゆとりがある」と感じているのでしょうか。株式会社ビースタイル ホールディングスの運営する「しゅふJOB総研」が実施した「世帯年収とゆとりに関するアンケート調査」によると、「いま、家計にゆとりがある」と答えたのは全体の27.1%にとどまりました。
しかし、世帯年収別に見るとその傾向は大きく異なります。500万円未満の層では11.5%しか「ゆとりがある」と感じていないのに対し、500万円以上の層では35.3%がゆとりを感じていると回答しました。つまり、500万円を超えることで、家計に余裕を感じる人の割合は約3倍に増えるということです。
ただし、この数字も以前より低下しています。2021年には500万円以上の層の47.5%が「ゆとりがある」と答えていましたが、2024年の調査では35%台に減少しました。
物価上昇や光熱費の高騰など、生活コストの増加が家計の実感に影響していると考えられます。つまり、500万円の収入があっても、支出が増えればゆとりは感じにくくなるという現実があるのです。
まとめ:世帯年収500万円がゆとりある生活の最低ラインか?
ここまで見てきたデータをまとめると、世帯年収500万円は日本の中央値よりやや高い水準であり、一定の割合の家庭が「ゆとり」を感じていることが分かります。
しかし、500万円を超えたからといって必ずしも豊かになれるわけではありません。実際には、物価の上昇や地域差、教育費や住宅ローンなどの支出要因によって、同じ収入でも感じ方は大きく変わります。
そのため、「世帯年収500万円以上」はゆとりある生活の“目安”として考えるのが現実的です。収入を増やす努力と同時に、固定費の見直しや支出の最適化を進めることで、同じ収入でもより大きな安心感を得ることができるでしょう。
また、共働きや副業、投資などで世帯全体の収入源を多様化することも、生活の安定につながる方法です。「500万円」という数字は単なる目標ではなく、家計を見直すきっかけとして活用することに価値があると考えられます。
出典
厚生労働省 2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況 結果の概要 II 各種世帯の所得等の状況(9~10ページ)
株式会社ビースタイル ホールディングス しゅふJOB総研 子ども多いほど家計にゆとりある傾向/世帯年収500万を境に3倍差
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
