山形放送

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鶴岡市の中心市街地に20日クマが出没し、住宅の敷地内に居座りました。クマの駆除をめぐって当時、鶴岡市は市町村が特例的に住宅地などでの猟銃の使用を許可する「緊急銃猟」を判断しました。「緊急銃猟」の決定は全国で初のケースとみられます。

鶴岡市と警察によりますと20日、体長およそ1メートルのメスのクマ1頭が鶴岡市中心部に出没しました。
午前11時ごろ、クマはJR鶴岡駅近くの錦町地区内の住宅の庭に入り、1時間半ほど居座りました。

警察アナウンス「鶴岡警察署です。直近にクマ1頭出ています。歩行者の方、安全な場所に避難してください」

午後0時半ごろ、クマは動き出し、対応にあたっていた警察官と猟友会のメンバーから2メートルほどの距離まで近づきました。
警察は緊急性があると判断して、銃の使用を許可し、猟友会のメンバーがクマを駆除しました。
鶴岡市によりますと、このクマが駆除される直前、住宅地などの生活圏で猟銃の使用を許可する「緊急銃猟」を判断していました。
「緊急銃猟」は近年、人の生活圏に出没するクマが急増し、人的被害などが相次いでいること受け、新たに設けられた制度です。4つの条件を満たした場合に
これまでは警察のみが判断していた住宅地などでの発砲を市町村が特例的に許可するもので、9月1日に全国で施行されました。
発砲を許可する条件はクマやイノシシなどが人の日常生活圏に侵入していること、人命または身体への危害を防止するため緊急に対応が必要であること、銃猟以外では的確かつ迅速に捕獲することが困難であること、住民に弾丸が到達する恐れがないことの4つをすべて満たすことです。

鶴岡市は今回の出没が4つの条件を満たすとして、「緊急銃猟」を判断。環境省によりますと、「緊急銃猟」を判断したのは9月1日の制度開始後、鶴岡市の今回のケースが全国で初めてとみられるということです。
県内ではことし、クマの目撃件数が9月14日までに1057件と統計を取り始めた2003年以降、初めて1000件を超え、過去最多を更新しています。鶴岡市内でもことしの目撃件数は8月末までに187件に上り、すでに去年1年間の件数の3倍近くに増加している状況です。
鶴岡市はクマの目撃件数が増えた要因について、ことしの夏、雨が少なかったため山に餌が少なく、餌を求めて人間の生活圏に出没しているのではとみています。
20日に出没したクマは櫛引地域などの山から「赤川」に沿って市街地まで来たとみられています。鶴岡市では、自宅の庭にカキやクリの木がある場合、これからの季節はなった実を求めてクマが来る恐れがあるため、果物を早めに収穫するなど庭木の管理を呼びかけています。