「歴代より強い10番、青森山田にしていきたい」腕章も託された小山田蓮は重圧も覚悟の上、先頭に立って走り続ける
今年、その2つを背負うことになったのがMF小山田蓮だ。ボランチ、インサイドハーフを主戦場とする彼は、昨年はプレミアリーグEASTで13試合に出場。選手権でもピッチに立った。
このエンブレムをつけて生半可な気持ちでプレーしてはいけないし、今年は僕らが結果を出さないと、後輩たちにも影響を及ぼしてしまうと思うので、そこはもっと自分自身やチームメイトに自覚と責任を促してやっていきたいと思います」
そう語り、臨んだ東北新人サッカー選手権。準々決勝の同じプレミアEASTを戦う尚志との大一番では、インサイドハーフでプレー。28分にカウンターからMF長谷川滉亮のパスを受けると、素早いターンからドリブルで敵陣まで運び、裏のスペースに飛び出したFW深瀬幹太へ正確なスルーパス。先制点をアシストするなど、前半は攻撃の起点として機能した。
しかし、後半開始早々にアンカーの長谷川が負傷退場すると状況は一変。長谷川が担っていたタスクをやろうとするあまり、守備から攻撃の切り替えが後手に回って尚志に完全にペースを握られてしまう。後半だけで4失点し、1−4のスコアで敗れてしまった。
「こんなに大差で負けたのは久しぶりですし、青森山田として東北のチャンピオンになるのは、日本一を目ざしている以上、マストだと思っていたので、ここで負けたのは全てが甘かったと思います」
【画像】日本代表!若き逸材!実力者!2025年冬に海外で新天地を求めたサムライたち
試合後、不甲斐なさと悔しさの感情が全身から滲み出ていた。10番として、キャプテンとして、小山田はこれから大きなプレッシャーを抱えながらプレーしていかないといけない。この重責について聞いてみると、彼は毅然とした態度でこう口にした。
「僕にとって青森山田高校の10番は小さい頃からの憧れでした。青森山田に進むことを決めた時から、ずっと背負いたい、引き継ぎたいと思っていた番号だったので、それが現実になって嬉しいからこそ、重圧も覚悟の上です」
岩手県出身の小山田はヴェルディサッカースクール岩手U-12でプレーしている時、高校選手権をテレビで見ていた。なかでも青森山田の10番である武田や檀崎竜孔(現・ウェスタン・ユナイテッドFC)のプレーに憧れを抱き、高校進学を待たずして青森山田中の門を叩いた。青森山田中に入ると、高校の10番には松木、小湊がおり、彼らのプレーを間近で見て、より10番への憧れが強まった。
最高学年を迎え、願っていたものにたどり着くことができたと共に、1年間、先頭に立って走り続けないといけない責務を担った。
「心身ともにも成長することができる番号だからこそ、甘さに気づいた今、より自分に妥協しないでやっていきたい。歴代より強い10番、青森山田にしていきたいです」
ここから巻き返す。これまでの想いが募った10番のユニホームとキャプテンマークに誇りと自覚を持って、小山田は自分らしく一歩ずつ着実に足を前に踏み出して行く。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
