2024年に制定された「TikTok禁止法」により、TikTokの中国親会社・ByteDanceが2025年1月19日までにTikTokを売却しなければ、アプリは利用不能になります。期限が目前に迫る中、TikTokが今後どうなるのかについて、ニュースメディアのAxiosがまとめました。

What happens to TikTok if it gets banned

https://www.axios.com/2025/01/13/tiktok-ban-supreme-court-rednote-lemon8

アメリカにおけるTikTokの進退は、TikTok禁止法が憲法に反しているかどうかを審理する最高裁判所の判断に委ねられていますが、Axiosによると裁判所は法案を支持する可能性が高いとのこと。

2025年1月10日の口頭弁論で、最高裁の判事らは「ByteDance以外のアルゴリズムでならTikTokは運営を継続できる」「ByteDanceは中国企業なので、アメリカの憲法修正第1条による保護を受けていない」として、法案は憲法違反には該当しない可能性があるとの見方を示していました。

これにより、TikTok禁止法が予定通りに施行される公算が高まり、その時までにByteDanceがTikTokを売却しない場合、アメリカでTikTokを使うことはできなくなります。



by Focal Foto

そうなった場合でも、1月19日になったとたんにアプリがスマートフォンから消えるわけではありませんが、アプリストアから新しくアプリをダウンロードしたり、アップデートを受け取ったりすることはできなくなり、最終的にアプリは利用できなくなります。

もし、TikTokの膨大な動画ライブラリを管理しているOracleがホスティングの停止を決定した場合、アプリはより急激な形で使えなくなります。ただし、そうすればOracleは株価の急落に直面する可能性があります。

また、VPNを使ってIPアドレスを偽装しても、アプリストアのアカウントがアメリカのものである場合、ユーザーはアプリのアップデートをダウンロードできません。ただし、VPNを使ってブラウザからアクセスすればTikTokを使える可能性があるとのこと。

一部のTikTokユーザーは、他のソーシャルメディアアプリへの移行を進めていますが、TikTokが脱出先として推奨しているLemon8はByteDanceが所有しているので、TikTokと同様に禁止対象となる見通しです。

TikTok禁止法の施行を前にTikTokはユーザーに「Lemon8」への脱出を推奨している - GIGAZINE



その他の候補として、アメリカのApp Storeのソーシャルネットワーク部門で1位に急浮上した短編動画アプリであるRedNote(小紅書)が挙げられます。

また、同様の縦型動画機能を備えたサービスとしてはYouTubeのYouTube ShortsやInstagramのReelsもあります。一部のユーザーは、これらのサービスにTikTokのコンテンツを投稿しています。

アメリカのシンクタンクであるPew Research Centerの調べによると、TikTokはアメリカに1億7000万人ものユーザーを擁しており、TikTok禁止を支持するアメリカ人は32%しかいないとのこと。

それでも、アメリカ政府がTikTok禁止法の制定に踏み切った背景には、デマの拡散やスパイ活動など、中国企業に対する国家安全保障上の懸念があります。

これに対し、TikTok側は撤退の強制は違憲であり、憲法修正第1条に定められた言論の自由の権利を侵害していると主張していました。

最高裁がTikTok禁止法を支持した場合、TikTokにとっては1月20日に大統領に就任するドナルド・トランプ氏が最後の頼みの綱となります。第1期目の任期中にTikTok禁止を主導したトランプ氏ですが、再選後にはTikTokを存続させる意向を示しています。

「TikTok禁止法」が迫る中でトランプ次期大統領が「TikTokをしばらく存続させたい」と発言 - GIGAZINE