茂木健一郎が語る、アメリカ大統領選挙と『幸福の幻想』の関係

脳科学者の茂木健一郎氏が、自身の見解について語る動画を公開した。この動画では『アメリカ大統領選挙と、「幸福」についての幻想』というテーマで、茂木氏がアメリカ大統領選挙をはじめ、人生におけるさまざまな局面に関連する「幸福の幻想」について持論を展開した。
茂木氏は、アメリカ大統領選挙において「トランプさんが勝って大統領になれば主役になるが、負けた相手は脇役になり忘れ去られる」と指摘した上で、人生において多くの人が抱える幻想について掘り下げた。その中で「人生という物語にはスポットライトを浴びる人と浴びない人が存在し、それは当然のこと」と語り、こうした視点を持つことが大切だとした。
特に注目すべき点は、ノーベル経済学賞受賞者であるダニエル・カーネマンによる「フォーカシングイルジョン」の概念を紹介し、「人生において特定の状況が幸福を決定すると誤解しがちだが、それは幻想に過ぎない」との見解を示したこと。「何かに焦点を当て、それが絶対的な幸福の条件だと思い込んでしまうことで、逆に不幸せになることがある」と茂木氏は述べている。
また、茂木氏は「人生はある種のオーディションのようなもので、一生懸命頑張ることが大事だが、結果に一喜一憂するのではなく、自然体でいることが重要」とアドバイスを送る。これまでの研究から、気候やお金など物質的な条件が必ずしも幸福に直結しないことも言及し、「人生は続くものであり、幸せの形は人それぞれ」と結論づけた。
動画の最後、茂木氏は「アメリカ大統領選挙の結果が我々の幸福を左右するほどのものではなく、一つの物語の一部にすぎない」と視聴者に対しメッセージを残して締めくくった。